中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

TPPは両刃の剣だ

昨今の野田政権への世論調査やTPPの賛否調査などの結果を
見ていると、国民がTPPについてほとんど知識がないことが
浮かび上がっている。
それもそのはずで、政権側からだけでなくマスコミも正確な
情報を流さないままでいるのが現状だから仕方がない。
 では、なぜマスコミも正確な情報を流せないのかを考えてみよう。
TPPの裏には隠されたものが多すぎて、書き切れないのも事実
だし、書こうとすると歴史をたどらなければならないほど複雑である。
わたしのHPの「JA-NEWS」欄を丁寧に読んでいただくとその流れ
も理解していただけるだろうが、膨大な文章を丁寧に読んで下さる
方も少なかろうと思うので、断片的に書くことにしよう。
詳しく知りたければ、JA-NEWS欄を定年に読んでいただくほかない。
かと言って、それはTPPを書いたものではなく。アメリカのやり方を、
書いているだけなので誤解のないようにしていただきたい。
 アメリカの大統領選挙は、どんな形で行われるのか。そして、
共和党民主党のいずれかから大統領が選ばれた後に、官僚たちは
どうなるのか。
日本では、政権がどの党から出ようと官僚たちに何らの変わりも起こ
らない。しかし、アメリカでは官僚(閣僚ではない)がそっくり入れ替わ
るのだ。どうしてそんなことが起こりうるのか。
官僚をそっくり入れ替えても、どうして上手くやって行けるのか?
(日本では、官僚を入れ替えるなんてできるはずもない)
その背景にあるものは何なのか?
そんなことも全部理解しておかないとTPPも理解できないほど
奥の深い話になってくる。
 TPPは陰謀だとか謀略だなんて言っている人は、なにも知らない
子供であると先日書いた。
 TPPでは、簡易保険問題が浮かび上がっている。簡易保険の
自由化をアメリカは迫っているのだ。
アメリカは、小泉政権の以前から在日本大使館のHP上で、
日本の郵政民営化、簡易保険の開放を呼び掛けていた。
小泉政権は、アメリカの意のままに動いたので長期政権が可能
だっただけで、小泉氏の能力が高かったわけではない。
 当然、野田さんも小泉さん同様にアメリカに従うことで長期
政権を狙ってくるだろう。
 郵政民営化が実現した時に、アメリカの首脳陣がなんと言ったと
思いますか?彼らは本音でものを言うことが多い。
「日本に埋もれている数百兆の民間資産をアメリカで使いたい」
と言ったものだ。もちろんこれは郵便貯金を狙っての発言である。
日本は、世界一の負債を抱えた国である。ギリシャやイタリア以上に
数字上では悪いのに、悠然としておれるのは、日本国民が国の
借金を抱え込んでいるからで、外国から借りていないからである。
 郵便貯金の資金が狙われたのは、日本崩壊への狙いがあったから
でもある。
簡単に書いたので誤解される向きもあろうが、TPPは奥が深いと
言うことを知っていただいて、よく勉強してほしい。
 自由かとか、市場開放とかという言葉は「アメリカの業者が日本で
稼げるようにしてほしい」と言っていることなのだ。
 日本が、戦後長らく経済成長を遂げてきたのは「統制経済」という
社会主義的な手法を用いてきたからでもある。いま中国がそれをやって
いる。
 アメリカは、自由化、市場開放、グローバルスタンダードなどという
ことばを使いながら、他国の市場に強引に入って来たいという本音がある。
アメリカにとって都合のよいことだが、日本にとってはどうか、そこが問題だ。
 その問題点が、奥深く隠くされていて、手の内が見えないようになって
いるところが、外交のうまさでもある。
 外交下手の日本にはとても手に負えない相手なのだ。