中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

TPPはアメリカの陰謀か(終)

ここまで陰謀って本当にあるのかどうかを書いてきた。
詳しく説明するのが面倒になって来て、つい厳しい書き方をしてきた
ように思う。
 陰謀や謀略なんてあるわけがないと思っている人たちになんと説明して
よいのか戸惑っている自分がいる。これは年齢のなさせことかも知れない。
若者よ、もっと物事を広く深く学びなさいと言いたいのだ。世界を広く見つめ直し
なさいと言いたいのだ。
 
 さてTPPのまとめを簡単に書こう。
TPPには24分野がある。一つ一つの分野にはもっと深い意味も
含まれているのだが、参加するまでは、その内容も分からない仕組みだ。
1.主席交渉官協議
2.市場アクセス(工業)
3.市場アクセス(繊維・衣料品)
4.市場アクセス(農業)
5.原産地規制
6.貿易円滑化
7.SPS
8.TBT
9.貿易救済措置
10.政府調達
11.知的財産権
12.競争政策
13.サービス(クロスボーダー)
14.サービス(電気通信)
15.サービス(一時入国)
16.サービス(金融)
17.サービス(e-commerce)
18.投資
19.環境
20.労働
21.制度的事項
22.紛争解決
23.協力
24.横断的事
 これら24分野の中には、想像するだに怖ろしい内容もあるように見受け
られる。アメリカの都合のよいように作られた仕組みだと言うことは疑いの
余地もない。しかし、それがバレバレになるような単純なことはアメリカは
やるはずがない。飴と鞭が用意されているに違いない。もちろん「飴」は
少しで「鞭」の方が圧倒的に多いはずだ。歴史的に外交の下手な日本国が
アメリカと対等以上に交渉できるはずもない。交渉に入った途端、目に見えぬ
蜘蛛の糸にぐるぐる巻きにされるに違いない。
しかも、蜘蛛の糸に気がつくのが5年先10年先という手の込んだ仕組みを
彼らは創り出す。それを見破ることができるのか。見破っても逆らえるのか。
 では、どのような国がTPPに入っているのかを見てみよう。
 (日本が入るとして)
 アメリカ、日本、豪州、マレーシア、シンガポール、チリ、ペルー、ニュージランド、
その内GDPから見ると、アメリカ14兆ドル、日本5兆ドル、豪州9900億ドル。
その他の国はごくわずかなのだ。アメリカと日本で全体のGDPの90%を
占めるという非常にバランスの悪いグループ構成である。
 これらの国々と、関税を全廃して貿易してどんな利益があると言うのか。
どうして環太平洋と言いながら中国は入っていないのか。
 TPPは中国をけん制する目的があり、アメリカの経済低迷を救済する
目的があることは火を見ることより明らかなのだ。
日本が参加して、得になることなど何もない。
では、反対できるのか・・。アメリカに逆らえるのか。中国を敵に回せるのか・・。
野田首相は、あと数日で決断しようとしている。
日本人の将来を大きく左右させる可能性のある大問題がもうすぐ決まろうと
している。それでも、ほとんどの日本人は、楽観的なのだ。どうして・・・??
何も知らないからである。無知ほど怖ろしいものはない。
カレーライスの時は安い外米にするなどして家計費の支出を抑えられる
などと安易な考え方をする主婦もいる。
関税全廃の意味するところは(と言うよりアメリカの狙うTPPは)そんな甘い
ものではない。仮に日本が参加して議論に加わるとしても、国民の大きな
後ろ盾の上で強い態度で臨まない限り、10年後には悲しい結果となって
現れるのではないだろうか。全国民が反対姿勢を示しても損はない。
 TPPについては、項目を変えて新たに書き続けようと思う。