中原武志のブログ

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おさらい・貿易戦争、関税引き上げ?上乗せ?

 米中貿易戦争で「関税引き上げ」とか「関税上乗せ」とかの記事が出る。
この言葉の中に「25%上乗せ」と書かれていると、なおさら分かりにくい。
これまでの10%から25%を上乗せして35%になるのかと思ってしまう。
 実は10%から25%に引き上げるという方が分かり易いのに、どうして
25%上乗せなどと書くのだろうかと思う。
 米中の貿易をめぐる対立がさらに激しくなっています。昨年から始まって
いる貿易戦争について、今一度おさらいをしてみようと思います。
 トランプ政権はまだ関税を上乗せしていないおよそ3000億ドル分の輸入品
の関税も新たに引き上げる手続きを始め、現地時間の5月13日に詳細を
公表しました。
 これに対して中国も報復措置として、アメリカからの600億ドル分の輸入品
に上乗せする関税を来月1日から、最大で25%に引きあげると13日夜発表
しました。
 この中国の報復措置にさらに対抗して、アメリカ通商代表部はまだ関税を
上乗せしていないおよそ3000億ドル分の輸入品の関税を引きあげる手続き
を始めています。これが実行されれば、中国からのほぼすべての輸入品が
関税上乗せの対象になります。
 トランプ政権は中国がアメリカのハイテク技術を不当に手に入れて知的
財産権を侵害しているとして、去年7月に通商法301条に基づいて中国から
の輸入品に関税を上乗せする措置に踏み出し、中国製の産業用ロボットや
航空、鉄道関連の製品など818品目、340億ドル分の輸入品に関税をかけ
ました。
  これに対して中国はアメリカ産の大豆や牛肉、自動車など、545品目に
25%の関税を上乗せして報復。規模はアメリカと同じ340億ドルでした。
 さらに8月アメリカは中国製のプラスチック製品や半導体、それに光ファイ
バーなど279品目、160億ドル分の輸入品を対象にしました。
 中国もアメリカからの航空燃料や、ディーゼル車、医療用機器など333品目
に同じ規模で報復の関税をかけて対抗しました。 
 続いて9月にも、アメリカはさらに対応をエスカレートさせ、これまでの規模を
大きく上回る5745品目、2000億ドル分の輸入品に対し10%の関税を上乗せし、
対象には豚肉やビール、ワインなどの食品・飲料をはじめ、家具、かばん、帽子、
それに掃除機や冷蔵庫といった電器製品など生活に身近な消費者向けの
幅広い製品が含まれました。
 それに対抗して中国は報復としてアメリカからの600億ドル分の輸入品に
5%から10%の関税を上乗せしました。対象は砂糖などの食品やビールなどの
お酒、化粧品や衣類などの生活用品、化学薬品やLNG=液化天然ガス工作
機会など5700以上の品目に及びました。
 そして今年5月に入って、トランプ政権は中国の交渉姿勢に不満を表明し、
今月10日、すでに10%を上乗せしている2000億ドル分の輸入品に対する関税を
25%に引きあげました
 中国はこれにも報復措置を打ち出し、来月6月1日に前回の報復措置で対象と
した9割近くにあたる4500品目余りで、上乗せする関税を最大で25%に引きあげ
ると13日夜に発表しました。
 昨年から加熱している貿易戦争は、ファーウエイ副社長逮捕から様相が異なって
きています。 中国が簡単に妥協できない分野での交渉が難航しているからです。
 G5通信機器をファーウエイから買うなと諸外国に圧力をかけるトランプ大統領
姿勢は、中国にとっては妥協できない問題でしょう。 
 来月、日本で開催予定の国際会議の際の米中の首脳会談で、一気に解決とは
行かない複雑な問題を抱え込んだままだと、日本にとてつもない影響が及ぶと
考えられます。
 売り手市場だった人材市場も、来春辺りから厳しい展開になるかもしれない。
大学生たちよ、気を引き締めて、それに備えてほしい。