最近、とみに原発推進派の逆襲が強くなってきているように思う。
テレビに出演するゲストの話しなどにもそれがうかがえるようになった。
多数であったことも関係があるとは思うが、株主というものは、自分の
持つ資産が下がるのが怖いから反原発にならないのは当然のいきさつ
でもある。
先日、NHKの解説者4名が自然エネルギー問題などを討議すると
言う企画の番組があった。すべては台本に書かれているのだろうが、
一瞬白熱するような場面もあり上手く作られていたように思う。
しかし、ここでも推進派の解説委員が「原発がなくなれば、日本の
企業は外国に行ってしまう。日本の産業が廃れる、韓国にも負ける」
と言うと、他の解説者の勢いが削がれて黙ってしまう結果となった。
おい待てよ! と言いたい。
日本の企業が韓国に負けているのは原発のせいではないだろう。
韓国は、経済破綻をきたしIMFの国際金融機関から多額の借金を
しなければならなくなり、IMFの管理下に置かれた国である。
その韓国がここまで経済力を伸ばしたのは政策が優れていたから
力を入れ、苦しい資金事情の中にあって多額の支援を行った。その結果は
ご覧のとおりである。日本だけではなく「韓流ブーム」は世界的になっている。
かつて、日本人は韓国人を見下げていたことがある。明治期が終わって
からの時期である。今では韓流と言えば、浮つくほどの人気ぶりだ。
そう言う流れを作ったのは、文化に力を入れ、韓国文化を世界にという
金大中氏の力だった。指導者によって国の評価がここまで上がる。日本の
指導者はどうだっただろうか。日本の世界的評価は下がりっぱなしでは
ないか。経済も同じである。サムソン、ヒュンダイなど今や世界的企業に
なり、日本を脅かしている。
では、韓国には原発がいっぱいあるのか?ノーなのだ。韓国の電気代
は日本より高いのか。ノーなのだ。日本よりかなり安い。どうしてそうなる
などと言うNHKの解説者の軽い論説にあきれるばかりなのだ。
電力問題を論じるなら、もっと基本的なことから論じる必要があるのでは
ないか。