不況の時代をどう生き抜くか(4)
(3)で書いたように、スキルの高い人、アイディアの豊富な人、やる気満々の人は
企業にとって何よりもほしい人であるが、そのような人たちは起業してしまう可能性もある。
言い換えれば、スキルが高くて、アイディアが豊富で、やる気満々の人は他人のところで
働かなくてもやっていけるタイプの人たちだ。でも、企業もこんな人がほしい。こんな人が
来てくれるような企業になれば、良い人材が多く集まり、その企業はますます栄えるという
図式になる。
人を求めても、ろくなやつが来ない・・とぼやく企業主も多い。それは、その企業に良い人材
を集めるだけの魅力がないからである。
会社の魅力とは、経営者の魅力、作ったり売ったりしている製品の魅力、大きな収入が得られる
魅力、可能性の魅力などがあるだろう。そういう魅力ある企業になれれば人材確保に困ることは
ない。そして、その企業は少なくとも10年間は栄える。なぜ、10年間か。経営者が耄祿して
きたり、代わった経営者の経営理念が貧弱であったり、研究者の若手への引き継ぎが上手く行って
いない場合には、10年間隔で企業がダウン傾向になってしまう。
先を見る目を持つ経営者が健全であれば、その企業は心配いらない。
ところで、若い人たちと話していて、定職に就こうと思っている人の少ないのが気にかかる。
そのチャンスが巡って来ていても、アルバイト、派遣社員でおりたいという。
収入が減るからだというのもその理由の一つだ。正社員になると、社会保険に入る、社会保険は
会社側も半分負担があるので、会社側としても正社員にしない方が安上がりである。
正社員を一人雇うだけで、福利厚生費負担が増えて会社経営にとっても負担となる。
それでも、この人材を確保しておきたいという場合には正社員にするものだ。
正社員への道ができた場合にも、それを断るというのは、論外であり、そのような後ろ向き
人生では、今後もチャンスは来ないだろう。
仕事の選り好みということがある。食べ物にも好き嫌いがあるように、個人の好みは複雑だ。
どの仕事が自分の天職かわからないと大学生は、就職活動に先立って迷う。
仕事探しのばあい、時給が高いほどよい。好きな仕事が良い。単純に考えて、それはそうだ。
好きな仕事で、多くの収入があれば、それに越したことはない。
でも、若いころに、自分の天職が分かる人など皆無に近いのではないだろうか。
次回は「天職」を考えてみたい。