中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

タンパク質を考える(17)タンパク質の寿命

 さて、タンパク質が作られる過程を簡単に書いてみます。

すべてのタンパク質はDNAが持っている遺伝情報をもとにつくられます。

とても複雑なのですが、ここでは至極簡単に書きます。

 まず、mRNAに写し取る「転写」という作業。

次いで、mRNAに並んでいる情報に従ってアミノ酸を一つ一つ並べて

いく「翻訳」と呼ばれているプロセスです。

 DNAのたった四つの塩基物質が暗号のように並んで、アミノ酸

配列を指示しているのです。

 「翻訳」の過程を経てアミノ酸が一列に並び、互いにつなぎ合わされる。

まだこの段階ではたんぱく質とはなっていないのです。 一本のひものような

状態なのです。 ここから先は、わたしの能力では説明のしようがありません。

 この一本のひものようなものが、三次元の形に折りたたまれた時にタンパク質

になるのです。 その立体的な形は決まっているようなのです。 とても不思議な

折りたたみ方で三次元の形が出来上がるのです。

 塩基がたった四つで、決まった対になってつながっているということには

大きな意味があります。

 もし二重の螺旋の中でAが紫外線などによって破壊された場合、その

対がТであることは明らかで、ヒトだけではなく、あらゆる動物の細胞の

場合でも、直ぐに修復が行われ仕組みになっているのです。

 ヒトの場合、約60兆個もの細胞すべてが、同じ働きができるの

ですから神業というより言い方がありませんね。

 たんぱく質の寿命を考えてみましょう。 

大腸菌のもっているタンパク質の寿命は、およそ数十秒らしい。 

たんぱく質を作るのも数十秒かかるらしいから、どんどん入れ替わって

いることになる。

 ヒトも含めて真核生物がもつタンパク質は、5万~7万程度と

考えられています。 たんぱく質の寿命は、それぞれの場所において

短い物から長いものがある。

 筋肉を作っているミオシンや、赤血球の主成分で酸素を運んでいる

ヘモグロピン、目のレンズを作っているクリスタリンなどは、数十日から

数か月の寿命を持っています。 同じたんぱく質でも、それぞれの寿命も

異なっています。 それらの場所での必要性によって使われ方

が異なっているのです。

 私たちの体内には、およそ二割のタンパク質があると言われています。

60キロの人なら12キロはタンパク質だという計算になります。

 脳の神経細胞のように、生まれた時にすでに140億個の細胞が

出来ており、あとは増えることも再生することもなく、壊れたら

修復もできないという細胞もある。

 私個人は、このような説明が納得できていない。 生まれたまんま

とは思えないのですが、学者たちの研究では、そうらしい。