さて、タンパク質が作られる過程を簡単に書いてみます。
すべてのタンパク質はDNAが持っている遺伝情報をもとにつくられます。
とても複雑なのですが、ここでは至極簡単に書きます。
まず、mRNAに写し取る「転写」という作業。
次いで、mRNAに並んでいる情報に従ってアミノ酸を一つ一つ並べて
いく「翻訳」と呼ばれているプロセスです。
DNAのたった四つの塩基物質が暗号のように並んで、アミノ酸の
配列を指示しているのです。
「翻訳」の過程を経てアミノ酸が一列に並び、互いにつなぎ合わされる。
まだこの段階ではたんぱく質とはなっていないのです。 一本のひものような
状態なのです。 ここから先は、わたしの能力では説明のしようがありません。
この一本のひものようなものが、三次元の形に折りたたまれた時にタンパク質
になるのです。 その立体的な形は決まっているようなのです。 とても不思議な
折りたたみ方で三次元の形が出来上がるのです。
塩基がたった四つで、決まった対になってつながっているということには
大きな意味があります。
もし二重の螺旋の中でAが紫外線などによって破壊された場合、その
対がТであることは明らかで、ヒトだけではなく、あらゆる動物の細胞の
場合でも、直ぐに修復が行われ仕組みになっているのです。
ヒトの場合、約60兆個もの細胞すべてが、同じ働きができるの
ですから神業というより言い方がありませんね。
たんぱく質の寿命を考えてみましょう。
大腸菌のもっているタンパク質の寿命は、およそ数十秒らしい。
たんぱく質を作るのも数十秒かかるらしいから、どんどん入れ替わって
いることになる。
ヒトも含めて真核生物がもつタンパク質は、5万~7万程度と
考えられています。 たんぱく質の寿命は、それぞれの場所において
短い物から長いものがある。
筋肉を作っているミオシンや、赤血球の主成分で酸素を運んでいる
ヘモグロピン、目のレンズを作っているクリスタリンなどは、数十日から
数か月の寿命を持っています。 同じたんぱく質でも、それぞれの寿命も
異なっています。 それらの場所での必要性によって使われ方
が異なっているのです。
私たちの体内には、およそ二割のタンパク質があると言われています。
60キロの人なら12キロはタンパク質だという計算になります。
脳の神経細胞のように、生まれた時にすでに140億個の細胞が
出来ており、あとは増えることも再生することもなく、壊れたら
修復もできないという細胞もある。
私個人は、このような説明が納得できていない。 生まれたまんま
とは思えないのですが、学者たちの研究では、そうらしい。