中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

タンパク質を考える(15)DNAの二重らせん構造

 今日は「二重らせん」のことを書こうと思います。

二重螺旋の写真とか図面はこれまでに何度もご覧になっている

はずなのです。

 初めて二重らせんを見た時から、不思議な面白い形だなと、興味を

持ったものでした。

 二重螺旋の発見は、ダーウィンの進化論、アインシュタイン

特殊相対性理論に匹敵するほどの発見だと言われていますが、1953年に

ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによって科学専門誌の

「ネイチャー」に発表された時は僅か2ページの論文だったと言います。

 1962年にノーベル生理学・医学賞を得ましたが、論文発表当時の

ワトソンは、博士号を取ったばかりの若者でした。

 20世紀最大の発見とも言われる「二重らせん」発見物語には

若い学者たちの熾烈な競争の中で生まれた。いつの世も、こういう研究者

たちがいて、新しい時代が始まるというのは喜ばしい。

 この研究がどのようにすごいのかと言えば、メンデルの法則によって

あらわされた「遺伝」という概念を、分子のレベルで証明したことなのです。

 メンデルは、遺伝形質という概念を導入して親から子へ形質が伝わるという

法則を編み出しましたが、形質が遺伝するという実態を証明することになった

のが「二重らせん」だった。

 さらに重要なことは、タンパク質はすべて遺伝子の情報をもとに造られる

という、一連の過程が明らかになったことなのです。

 遺伝子を操作することで、タンパク質も操作できるというタンパク質工学や

分子生物学にも光を与えました。

 これまでに書いたことを復習するようですが、すべてのたんぱく質は、DNAの

持つ遺伝情報をもとにして作られる。

 その過程は何段階にもわたる複雑な精巧につくられたシステムなのだが、

大きく分けると、二つのプログラムが介在する。

 一つ目は、DNAが持つ情報を、運び屋であるmRNA(メッセンジャーRNA

に写し取る作業。

 二つ目は、mRNAに並んでいる情報を読み取って、その情報に従って、

アミノ酸を一つ一つ間違いなく並べていく「翻訳」と呼ばれるプロセスです。

 DNAはたった4つの塩基で成り立っています。

「アデニン(A)」「グアニン(G)」「シトシン(S)「チミン(T)」

 面白いのは、たった四つの塩基が、必ず対になって向かい合っている

ことです。 言い換えれば梯子のような形の両サイドが向かい合っている。

とても重要なことは、向かい合う塩基が決まっていることです。

次回に詳しく書きますね。