1987年、ノーベル医学.生理学賞を受賞された利根川進氏は、免疫学のだれもが苦し悩んでいた問題を解いて免疫学の発展に大きく寄与した。
免疫学者の多くが研究を進めていたのは、
「無数とも言える(非自己)に、わずか10万個の遺伝子でどのように対応できるのか」と言う問題だった。
免疫学者のだれもが時間を争うように競って研究していても答えが見つけられなかった。
利根川進氏は、免疫学者ではなく分子生物学者なので、免疫学者たちとは違った視点で考えるうちに脳が閃いたのでしょうか。
脳の働きの不思議さを思うと、多分は閃きが出てきただろうと想像するのです。
免疫学者たちは、抗体の働きをよく知リ過ぎていたので、そんな複雑な構造を作るのには、きちんとした形の実成した遺伝子があるに違いないと思い込み過ぎていたようです。
利根川進さんは、
「異物に対応できる遺伝子は、全部完成された形で用意されているのではなく、僅か200個ほどの断片として存在する。その断片を組み合わせると無限の多源性を作ることができる」という原理を発見されたのです。
ここでお気づきになりましたか??
断片とは遺伝子の断片です。
組み合わせるのは、遺伝子が勝手にやることであって人間がやることではあるません。
自分の体の中で、そういう働きがあると言うことです。
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ところで、(4)で、胸腺のことを書きました。
1961年までは、胸腺は(悪い人存在)だと考えられ手いたのです。
子供が急死した時に胸を開くと必ず大きな胸腺があった。ところが寿命を全うした老人の胸には胸腺がほとんど見当たらなかった。
こういう経緯があって、子供が急死した原因は胸腺が大きかったからだろうと、医学界での常識になっていたのです。
1961年に「胸腺が免疫に関係が或る」という論文が発表されて、追研究が行われ、胸腺の存在意義が分かったのです。
医学はこのようにして進んでいくのですね。