免疫について書いているのですが、説明するのも難しい。
免疫というシステムは、きわめて「特異性」を有していて、抗原Aに対して成立した免疫は、抗原Bには反応しないのです。
抗原を特異的に結合する抗体は「免疫グロブリン」と呼ばれるタンパク質です。
自然界に多数存在する無数の抗原に対応できる多様性を持っています。
ノーベル賞を受賞された利根川進さんによって、抗体の多様性の遺伝子機序が明らかにされました。
利根川さんは、「生体が、無数に存在する抗原に体して、どのようなメカニズムで特異的な抗体を準備しているのか」を解明されたのです。
この研究で免疫学が一気に前進したと言われています。
「免疫の発見」は、感染病に対しては人々におおいなる福音をもたらしましたが、免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることにより、生体にとって好ましくくない反応が起こることも分かってきたのです(アレルギー反応)。
喘息、食事アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全症候群、といった免疫反応が関連した疾患も数多くあります。
「自己」と「非自己」は、免疫を理解するキーワードだと言われています。
自己と非自己を識別して非自己を攻撃するのが免疫システムなのです。