歴史と言うものはとても大切であり、歴史から学ぶということも大切なことです。
でも、日常の忙しさの中で、歴史は忘れられて行ってしまいます。それが僅か数十年前のことであっても忘却される。
杉田玄白さんが、オランダの解剖書を見て驚き、刑死人の解剖をして解剖書の正確さに驚き、仲間とともに翻訳を進める。
一語を訳すだけに一日を費やすほどの困難の末にやっとのことで、それを為した。
一年数ヶ月後に「解体新書」として世に出た。
それらの苦労話を杉田玄白さんは、四十年後に「蘭学事始」という本に書いた。この本は筆写本になって世に出たが、直ぐに忘れられていく。
幕末になって神田孝平氏が湯島の「露店」で見つける。このような、貴重な書物が露店で売られていたことにも驚く。
この本が福沢諭吉氏に渡り、諭吉はその内容に驚き感動して、自費で本の出版をしたのだった。
福沢諭吉氏は、この本に触れたことでオランダ学に傾倒し、多くを学ぶのだった。
一つの本が、露天に並んでいたかと思えば、その内容に感動して自費で出版し、自らオランダ学をマスターし、やがて咸臨丸に乗ってアメリカに行く。
まさにドラマのようじゃと私が感動している。