私は88歳、妻は83歳の夫婦だが、この35年間は人並み以上の贅沢を味わってきた。
今思えば、あの頃にいろいろやってきて幸せだったねと二人で語り合える楽しみもある。
ところが、二人共これほど長生きするとは計算外の事だった。
そして、計算外のゆえに貧乏人になったといえる。
どうして暮らしを立てていくのがベターなのかを、二人で話し合った。
妻は「贅沢しないでやって行こう」という。
私は「それなら任しておいて、貧乏暮らしの方法は知っているから」と、答える。
本当に妻がそういう暮らしに、文句を言わずに耐えられるのかどうかは、分からないが、お金の心配ごとが少なるなるので耐えられるかもと思う。
私の人生は、山あり谷ありだったので、どんなことにも耐えられる。
さて、実行は1週間後から始めようと思っている。
最後の贅沢は、リンゴ9個でジャムを作ることだ。
とびきり旨いりんごジャムを、喜んで食べている妻の様子を見て、清水の舞台から飛び降りる飛び降りる気持ち?で、買ってきた。
明日にもつくろうと思っている。
まあ、取り敢えずの贅沢だが、喜ぶ顔がみたい。左脚の痛さに苦しんでいる人を今日街で見みかけた。
一日も早く妻の右脚が治ってくれるようにと祈る思いの中にいる。
貧乏なんて怖くない。
二人が仲良く、笑って暮らせれば、最高の幸せなのだ。
それが私達にはできるはずだと思っている。