幕末、かいりん丸に乗ってアメリカへ渡り、視察を終えた
勝海舟が老中たちに報告を行った。ちょうど今から130年前のことである。 アメリカとはどう国であったか?という
質問に「あの国は、4年に一度、選挙というものを行い、一番えらい人が大統領になるそうです」といった。 老中たちは嫌~な、顔をしたらしい。 日本では世襲制でバカボンが
トップに立つことも珍しくなかったからだ。 その、大統領というのは、日常は何を考えているのか? という問いに、
海舟は「民の生活のことを考えているそうです」と答えた。
幕府の連中は民の生活など案じたこともなかっただろう。
最初の大統領の子孫はいま何をしているのか? との問いに
海舟は「元大統領の子孫のことなどだれも気に留めていません」と答えたそうだ。 さすがに勝海舟はアメリカという国をわずかの期間で理解したようなのだ。
さて・・・それから130年が経ち今回の大統領選が明日に迫っている。トランプ氏が選ばれるのかバイデン氏が選ばれるのかはわからないが、アメリカという国が、130年前よりも民主主義が後退していることは明らかだ。
世界の多くの国から夢を求めてアメリカに集まる。様々な文化を持った人たちが集まっている国でもある。 それらを
受け入れてきた偉大さには拍手を送るが、いまやそういう人たちを持て余し気味になってきて軋轢が深まっている。
アフリカから奴隷として無理やり連れてきた黒人たちまで
邪魔者扱いをするようになってはいけないだろう。
一日で10万人に達する猛烈さである。107秒に一人が
なくなっているという現実がある。 米中貿易戦争のさなかにコロナ禍が起こってしまった。 今後の見通しがない中では、当選した大統領も施策に戸惑うことがおおいことだろう。 今後の世界を占うことになるかもしれない大統領選
ではある。 私はいま、130年前から今日までの日本を顧みて、とても複雑な思いでいる。今後の130年は、もっともっと、予測不可能な世界になっているのだろう・・と。