中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「汚染水対策」政府案に異議あり!!

 経済産業省は12月23日、東京電力福島第1原発事故で生じている

放射性物質トリチウムを含む処理水について、薄めて海に流す「海洋放出」、

蒸発させ大気に放つ「水蒸気放出」、「併用」の3案を対象に検討すると

した報告書案をまとめた。

報告書案は、当初は5つあった処分案のうち、地下への注入や埋設、水素に

変えての放出の三つは技術面などから現実的ではないと判断して、過去に

実施例のある「海洋放出」「水蒸気放出」を候補としている。

タンクでの保管継続も一時検討したが、用地の限界や破損時の漏えいリスク

があり、採用しなかったという。 この問題については7月も書いた覚えが

ある。 大阪府知事が「大阪湾に流そうか」とコメントした際に書いた。

大阪湾に流すほどきれいな「汚染水」なら、太平洋の暖流まで船で運んで

流せばよいとかいた。それを世界の国々が容認してくれるほどに問題の

ないものならば、日本で騒がれることもない。

まだ35年か40年前ぐらいまで、かなりの昔から、ずいぶん長い年月の

間、大都会から出る大量の「糞尿」のほとんどは船で太平洋の暖流まで

運んで行って投棄されていたものだった。東京や大阪、名古屋から出る

糞尿の量を想像してみてほしい。東京、名古屋、大阪などの下水道処理

施設がいつごろ完成したのかを調べるだけで、いつまで投棄されていた

かも分かるはずだ。 福島第1原発の汚染水タンクに貯められている量

など、量的観点から考えれば大したものではない。しかし、大問題は

放射性物質トリチウムを含んでいるということだ。 糞尿なら魚の餌に

なっただろうし海草類の成長にも役立ったに違いない。しかし、放射性

物質トリチウムが含まれている汚染水を「海洋放出」とは、これいかに。

「海洋」とはどこのことを指すのかも明言されていない。「水蒸気放出」

とは、目に見えないように蒸発させる??どんな方法で?? 具体的な

ことは書かれていない。 タンク貯蔵のために土地を拡大することも

視野に入っているらしい。汚染水は、毎日170トンも増え続けて

いる。巨大な円筒型のタンクがズラリと並んでいるさまはニュースで

よく見かける、高さ10m以上、容量は1基1000~1200トン。その数は

現在977基もあって、用地を埋め尽くそうとしている。あと数年で用地

は尽きる。 これまでやった汚染水対策はすべて失敗に終わった。

東大村と言われた東電もお手上げ状態だし政府の対策も空回りになって

いる。 東電や政府を攻めるのはいいが、肝心の「国民」の多くが、

この問題を忘れかけていることが最も重要なことだ。なんでも「先送り」

でことは終わらない。地球温暖化以上に厄介なものを日本は持っている

のだし、この災害大国で安全と言える「原発」があるのだろうかとおもう。

原発は安全と騙してきた自民党も、わしゃしらん・・と頬かぶりしている。

騙した国も、騙された国民の方も、できることなら忘れたい・・と思っ

てる。