新興航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)が27日
神戸空港に就航し、松本(長野県松本市)便と出雲(島根県出雲市)便の
運航を始めた。いずれも1日1往復する。
神戸空港の在り方を官民で話し合う「関西3空港懇談会」が5月、神戸の
発着枠を1日60便(30往復)から80便に増やした規制緩和で新規路線
が実現した。 FDAは12月20日から神戸-高知便も1日2往復させる。
拡大された神戸空港の発着枠20便のうち、夏以降のスカイマークの増便も
含めると、12便が年内に埋まる見込み。加えて来春にも運用時間が午後10
時から同11時に延びる見通しで、発着枠が全て埋まれば、さらなる規制緩和
につながるかもしれない。
FDAは、地方都市間を結ぶ独自の路線展開が特徴で、スカイマーク機の
(177人乗り)の半分サイズの機体(76人,84人乗り)で搭乗率、採算性を確保
する戦略のようだ。神戸を「西の拠点」として事業拡大を図るもようだ。
神戸空港は市街に近く利便性は高いことが大きなメリットだが、海外便
は受け入れておらずドメスチック空港とし地方都市からの利用が増えれば
神戸という垢ぬけした都市の魅力を知ってもらうよい機会となるだろう。
神戸にはネクタイだけを扱う「元町バザー」とか紳士シャツだけを作って
いる「神戸シャツ」など個性的な店が多いのだが、他県の人たちにはあまり
知られていない。メガネの大学堂も、1932年(昭和7年)三宮センター街での
創業以来、ドイツのマイスター精神を基にしたハイレベルな技術を誇って
いる。マイスターといえば第一次世界大戦のドイツ人捕虜の中にマイスター
資格を持った職人がいたことから初めて知られた世界的な技術資格でも
ある。元町バザー、神戸シャツ、のほか、トアロードの「デリカテッセン」
帽子のマキシム」など歴史的で個性的な店が多い神戸を日本中に発信する
機会になればと願っている。
司馬遼太郎さんが著書の中で、そのような神戸の素晴らしさを書いて
おられるのもうれしいが、その後、時代が進むにつれ、安っぽい店も増え
始めた。格調の高い店が続けられるように応援したいものだ。