年寄りの苦痛を書いていると、少々勘違いをうむかもしれない。
正直な気持ちを書いているのだけれど、泣きごとに聞こえなくも
ないからだ。正直に言うと泣き言も半分あるかもしれないとも言える
けど、泣き言を書いてみたって仕方がない。
読んで下さる方の年齢にもよるが、25歳の方なら60年後、35歳の
方なら50年後・・・そして、65歳の方なら20年後、75歳の方なら
10年後と思って読んで下されば、読み方も違うだろうし感じ方も
違ってくると思う。もう何十年前になるか忘れたが、遠藤周作さん
(彼の作品は数多いが「沈黙」「深い河」が大好きだ)が、狐狸先生
(こりあん先生)というペンネームで書いていたシリーズがあった。
どれもこれも面白くて、腹を抱えて笑えるものばかりだった。
ところが彼が老いてからは、病気のことばかり書いていた。その当時
どうしてこんなことばかり書くのだと?思いながら読んだ記憶がある。
今、こうして自分が同じ立場になるとは・・その時、気がつきも
しなかった。 あの当時に、もっと狐狸先生から学び取っておかな
かったのかと、悔やまれるし、かれが書いた目的だに気がつかなかった。
今こうして、私が書いているのも、あの当時に遠藤周作先生が伝え
ようとした100分の1でも書ければと思うからなのだ。そして、両親の
ことにもっと目を向ける人が増えればとも願っている。