これまで「誤診」について少しばかり書いたが、誤診に
ついては改めて詳しく書きたい。
今日は日本の医療レベルについてちょっと考えてみよう。
どういう訳か知らないが、日本の医療は世界最高レベルだと
信じている人が意外に多い。
日本の健康保険制度が世界に誇れるのは確かなことである。
しかし、医療という面から考えると決して世界に誇れるレベル
ではない。
それでも、医者の中でも最高レベルだと思い込んでいる人も
少なくない。そういう人に限って、医療レベルが上がることもない。
さて、少し年代を戻して考えてみたい。
私が子供の頃に過ごした田舎では、当時の人口が7千人?
程度の町に医者が一人だけだった。その医者は町でただ1台の
バイク車を持っていたが、それはサイドカーだった。65年ほど
前の話である。
それから10年ほど経ったころには医院が4か所に増えていた。
当時は、内科と産科だったと思う。
一般的に言って、世間では内科と外科の二つしかなかった。
産科とか耳鼻科、泌尿器科なども外科分野なのである。
内科医はメスを持つことはないが、メスを持つ診療科目は意外と
多いものだ。
時代を経るごとに、診療科目はどんどん細分化されてきている。
大病院を受診する際に、どの診療科目を受診すればよいのか
迷うほどになっている。
診療科目が増えるほどに、医者の診る視野も狭くなっている。
それを専門化という言い方をするけれど、私にはそうは思えない。
専門医と、視野が狭くなった医師とは全く違うものだと考えている。