中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

認知症患者の監督責任問題

 みなさんは、昨日の最高裁判決をどのように受け止められたのだろう

◆ 認知症の高齢者が列車にはねられ、鉄道会社に損害を与えた場合に家族が
 賠償責任を負うべきかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷
 「同居の夫婦だからといって直ちに監督義務者になるわけではなく、介護の実態を
 総合考慮して責任を判断すべきだ」との初判断を示した。その上で、家族に賠償を
 命じた2審判決を破棄して鉄道会社側の請求を棄却した。
 家族側の逆転勝訴が確定した。
 
◆ 2007年に愛知県大府市認知症の男性(当時91歳)が1人で外出して列車に
 はねられ死亡した。JR東海が「列車に遅れが出た」として、男性の妻(93)と長男(65)
 に約720万円の支払いを求めた。
◆ 1審・名古屋地裁は13年8月、長男を事実上の監督義務者と判断し、妻の責任も
  認めて2人に全額の支払いを命じた。
  2審の名古屋高裁は14年4月、長男の監督義務は否定したが、「同居する妻には
  夫婦としての協力扶助義務があり、監督義務を負う」として、妻に約360万円の賠償
  を命じた。
◆「妻は介護に当たっていたが自身も要介護度1の認定を受けていた」と指摘。
 長男についても「20年以上同居しておらず、事故直前も月に3回程度、男性宅を
 訪ねていたに過ぎない」とし、いずれも男性を監督することはできなかったと認定した。
 どうして1審も2審も賠償責任を認めたのか。私にはそれが解せない。
 認知症患者の家族が、どんなに辛い日々を送っているかを考えると、監督責任
 と言う考え方を、もっともっと深く考えるべきではないかと思う。
◆ 私の友人の話だが、認知症になった父がちょっと油断した隙に家を飛び出す
 のだそうだ。
 なぜか、いつも枕を抱えて出ていくらしい。
 そして、知らない方々のおうちへいって 「旅のものですが、一夜の宿を貸して
 もらえないだろうか」というらしい。 もちろん30年も前の話だが。
 このおじいさんは時代劇が好きだったのかもしれないが。友人が言う、この
 話をすると、みんな大笑いをするのだけど、我々家族は本当に大変だった。
 辛かった…と言っていた。