私はパンが大好きなのだ。
パンであれば何でも好きかと問われれば、最近のランチパンなどは
好きではないと答える。
私を育ててくれた「育ての母」がいる。父の妹になる人なのだが、とても
大切に育ててくださったので、60年も前に亡くなった「育ての母」の愛情を
いまも感じながら生きている。実際には3年間育ててくださったのだが、
私には、それが十数年にも思えるほどの愛情を注いでもらった。
この育ての母が、「お前は小さなときから頑固やったな~」と、言いながら
話してくれたことがある。
住んでいた近所には大きな商店街があった。
3歳ごろからパン屋さんの前に行くと必ずクリームパンをねだったそうな。
だめ!と言って帰ろうとしても、私が店の前に座り込んで頑として
動かないので、仕方なく買ってやっていた・・・と。
当時のクリームパンは、表面に渦巻き状に垂らして焼いただけのもの
で、現在のようにクリームたっぷりと言うものではないのだが・・・。
戦争が始まってパンは姿を消した。コッペパンだけになった。
コッペパンと言っても若い人は知るまい。
戦争が深刻になってからは、サツマイモの蔓を乾燥させて粉にしたもの
を使用するなど、美味しいものではなくなった。
戦後数年たってようやくパンが食べられるようになったと言っても拙い食パン
だけ。
菓子パンが復活したのはかなり経ってからだ。
アンパンとクリームパンが好物で、週に2度は食べている。
パンのことを書き始めると長くなるので、今回はここまで。