中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

夢と現実の中で

 夢もあなたの人生の中で生きている経験だと、先ほど書き
 ました。
 私がJA・NEWS新聞に2004年7月号に書いた「あの長嶋さんと
 会った」というコラムをここに掲載しておくが、11年以上も前の
 ことなのだが、今となっては、夢だったのか現実だったのかも
 怪しいほどだ。
 両陛下から皇居内の御所にご招待を受けて握手していただいた
 のが、私の唯一の自慢話なのだが、時が経つにつれて、現実だった
 ものなのに、夢だったような気がしてくる。
 だから、現実も夢も人の人生の中では同じなのだと思う。

 なんでも ホンネ・コラム   2004年7月号

   「あの長嶋さんに会った」

あの長嶋さんに会った。ジャイアンツの長嶋さんです。

ホンネで言うと私は選手時代から今に至るまで長嶋さんが
好きではなかった。私が大の虎キチのせいもありますが同じ
巨人軍でも王さんは好きだったし今も彼を応援しています。

 今日、所要で行った帰りの電車の中で偶然に長嶋さんと

隣り合わせに座ることになり、ひょんなことから会話が弾
みました。野球に関していろいろと質問すると彼は楽しそうに
どんどん答えてくださった。「打率のことなどを考えて
バッターボックスに入っても打てないでしょうね」などと
素人丸出しの私の質問にも丁寧に答えてくださった。
その話し振りには脳血栓でリハビリ中とはとても思えない
快活なものがあったので、駅に着いた後、そのまま挨拶を
して別れてしまいました。

 ふと振り返ると、長嶋さんが不自由そうに階段を下りて

いる姿が目に映ったので急いで取って返し彼の身体を支え
ながら階段を降り、そのまま町へと出て行きました。
「長嶋さんはここにお住まいだったのですか?ここは私が
育った町なのです」というと「そうですか懐かしいですね」
と話がはずみ、雑談を重ねながら雑貨店、骨董品店など
昔懐かしい店を二人で廻りました。別れ際に頼まれて名刺を
差し出すと「ほう、ボランティアをやっておられるのですか」
と関心を示された。そして万年筆をお持ちですかというので、
私の持っているボランティアグループの名前が入った万年筆を
差し出すと「使いやすいですね。でもこれでは私には持ちにくい、
ここを改良されたらいいのじゃないでしょうか」と提案して
くださった。「また会いましょう」と別れたが、とても
さわやかで、気持ちのいい出会いだった。私はそれまで持って
いた長嶋さんに対する気持ちはなくなり、いっぺんに長嶋さんが
大好きになった。

 実は、以上の話はみんな夢である。あんまり鮮やかで実感の

ある夢だったので起きて直ぐ東京在住のジャイアンツフアンの
友人に知らせたら「素晴らしい夢だけど、余程あなたの体調が
悪いのじゃないですか、こんな鮮明な夢を見るときは体調のよく
ないときですから」と私の身体を案じてくださった。まったく
その通りでこの1ヵ月半というもの体調不良で1ヶ月も抗生物
質を飲み続け、ステロイド錠を服用し、その副作用で胃が荒れて
寝苦しい日々が続き、のた打ち回るような苦しさの中での夢
だった。しかし、夢の中でも人をサポートしていた自分が嬉しいし、
夢見でこれまで嫌いだった長嶋氏が大好きになったことも嬉しい。
その後の報道では、長嶋さんは驚異的な回復振りのようであるし、
アテネオリンピックへの壮行試合を観戦する予定があるそうです。
私にとっての長嶋さんはこれまでの有名人のそれではなく、身体の
ぬくもりを感じあった親しい、懐かしい友人となってしまいました。
今もその感触が私の感覚に残っていて、とても夢だったとは思え
ないでいる。