入院した翌日の朝、主治医が病室にきて「フイルター」の説明をしてくださった。
心臓の場合には、狭くなった血管を広げるためにステントを入れることは
知っていて、その実物を見たこともある。
フイルターの場合は円錐状の形をしていて、首の静脈から腎臓近くの静脈
に埋めるらしい。血栓のほとんどは下肢にできることは前回に書いた。
静脈に乗って上半身へと移動する。
繋がる。
そう考えると、血栓とはとても厄介な存在なのに、あまりその危険さを
考えている人は少ないのではないだろうか。
下肢から血栓が飛んできた場合に、フイルターで受け止めてしまおうという
ことだそうだ。小さな血栓はフイルターも通り越してしまうだろうが、それは
問題ではなく、命にかかわるような大きな血栓はフイルターで防御できると
いうことだった。
さて、ドクターとの話の中で、今後治療中や入院中にもし血栓が詰まって
命の危険が迫ったとしても、無理な救命はしないでいただきたい旨をお願い
した。ドクターは、その件は奥様とも話し合われたことなのですか?と問われたので
日ごろから十分に話しています。私の場合だけではなく、妻が逆の立場になっても
同じようにしてほしいといわれていますし、子供たちにもこの件はよく話しています。
ドクターは、承知しました。そんな事態が起こらないことを願っていますが、万一
そのようなことがあれば「無理な救命」は致しませんと、納得してくださった。