中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

肺塞栓症(5)と私の場合

 自分が肺塞栓症で入院して初めて知ったこと、思い当たること
 がたくさんあったので、「日本循環器センター」の案内を参考に
 させていただいて、私の場合と併せて考えてみたいと思うので、
 皆さんの参考になればと願っています。 
 
 肺塞栓症とはどんな病気か?
肺動脈に血液の塊(血栓)が詰まる病気のことです。この血栓
どこでできるかというと、9割以上は「脚(あし)」の静脈内にできます。
(下肢と言われる部分。)
この血栓を「深部静脈血栓症」といいます。
それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて
肺塞栓症の原因となります
ですから、肺塞栓症深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを
合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼びます。
肺塞栓症は急性心筋梗塞と比較しても死亡率が高く、この病気が日本より多い
アメリカやヨーロッパでさえ、診断がつかずに死亡する方が多いことが報告されて
います。
肺塞栓症は主に脚にできた深部静脈血栓が、血流によって肺動脈まで運ばれて
くるために起こります。
肺塞栓症で一番多い症状が息苦しさです。典型的な場合、突然、呼吸が苦しくなり、
普段であれば何ら問題なく上れた階段や上り坂で、息が切れ、途中で休まないと、
それ以上動けなくなります。
肺動脈が詰まるので、動脈血中の酸素濃度は低くなります。心臓は酸素不足を
補うため、頻繁に血液を送り出し、安静にしていても脈拍が増え、1分間で100回
以上となることも珍しくありません。当然、呼吸回数も増加します
このように、肺はたくさんの酸素を取り込もうとし、心臓は酸素をなんとか体に行き
渡らせようと懸命に頑張るのです。
 さて、私の場合と比較してみると、次のようなことが言えます。
5月のある日、地域の集会場で役員会があり、その帰途わが家まであと100
メートルもない地点で突然、呼吸が苦しくなって動けなくなってしまいました。
ちょうど、その地点の家には門扉の中に犬がいて、猛烈に吠え立てるのです。
何とか、その場を去ろうとしますが動けなくて、犬に吠え立てられながら、じっと
我慢していました。犬は怪しい人と思ったのか、苦しんでいる人がいるよと教えようと
したのか…と今では考えています。
だから犬を恨んでいるわけではありません。
このことはすぐにかかりつけ医に報告しました。
私は日記に詳しく記述する習慣があるので、日記を読めば流れがよくわかります。
その後、「苦しい」という記述がよく出てまいります。
子供たちにも、グループの人たちにも現状の苦しさを伝えてきましたが、おそらくは
みなさん「いつもあのように言っているけど、元気そうよね」と思っていたに違い
ありません。
そうなのです。座って喋っているときには、2時間でも3時間でも元気そうにして
居れるのです。
がん相談の電話で1時間もしゃべっていても「お元気そうですね」といわれるが、
本人は息絶え絶えの状態なのですが…。
病気とはそういうもの、人にはわからないものですし、本人も分っていないのです。
ただ、入院する前日の症状は、日本循環器センターのガイドと全く一致します。
血圧の上が80~90辺り(血圧計にはデーターが保存されているのですが、入院中
なので確認できませんが) 脈拍数が105~120当たり、呼吸数も多かった。
何より、僅かに動いただけで呼吸困難になってしまう。
FAXのインク交換をしただけでのたうちまわる始末だった。
このように、自分でデーターを集約していたので、その夜に陰下医師に電話して
相談したら、「クリニックで対応できる状態ではないですね。循環器系の病気には
間違いないと思うので、知り合いの多い神戸労災病院を紹介しましょう」と
言うことになったということです。
ここで一つ、苦情を言っておきたい医師がいる。
8年間私の喘息管理を行ってきたH医師だ。
10月21日(火)、私の苦しさを訴える声にこたえて「CT」撮影してくださった。
彼は本来放射線専門医(画像診断)である。
その結果、「中原さんが、苦しいと訴えるので、何か写っていると思っていましたが、
きれいですよ。胸の音もきれいですし問題ありません。中原さんの苦しいというのは
私にはわかりません」と明言された。
この時、「私にはわからないけれど、もしかしたら循環器系の病気かもしれないから、
専門医を紹介しましょう」とH医師が言っていたなら、納得できたのに・・・と残念で
ならない。
私の方が循環器系かもしれないと思っていたから、知り合いの看護師さんに出会った
時に循環器系の医師を紹介していただき、今回の入院にまでいたるという次第。
医師に頼り切るだけではなく、自分の身体の変調をしっかり見つめていないと
駄目なのかとおもう。
自分を守るってことは大変なのだよね。でも、無理してまで生きたいとは思って
いない。明日は・・その話を書きましょう。