中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

最近2か月で読んだ本

 人からよく「中原さんはとても忙しいはずなのに、いつ本をよむの?」と言われます。
一日24時間は、すべての人に与えられた平等な時間です。その時間をどう使うかに
よって人生が決まるのではと、私は考えています。
 私の読書は、トイレの中、風呂の中、リビングルーム、ベッドルームなどどこでも
読んでいます。トイレの中で読むのは痔になりやすいのでおすすめではありませんが、
静かで明るく、つい長居してしまいます。
 間もなく79歳になる私は、白内障も進んでいて、こうしてPC入力するのもつらいし、
本を読むのも字が見えにくくて難儀していますが、それでも本を読むのをやめられません。
 
 最近2か月間で読んだ本を紹介しておきましょう。
 
 宮本輝さんの作品は、芥川賞受賞の「泥の河」以来彼の文体が好きでよく読んでいます。
初めは「錦繍」など彼の短編ものが大好きでしたが、次第に長編ものも好きになりました。
妻は、彼の作品が他の誰よりも好きですべての作品を読んでいますが、私は彼の40歳代
前半の作品は読むのをパスしていました。
好きな作家はたくさんいますが彼の作品は私の中では、ベスト20人の内に入っています。
 最近2か月間に読んだ本。
 宮本輝著 「流転の海」(1)(2)(3)(4)(5)(6)  新潮社
  彼が35歳(1984年)の時に、彼自身の父と子の物語という形で「流転の海」が
出版されたものですが、次号までの期間が長すぎるので多くの読者から苦情が
起こったものでした。
(2)は流転の海「地の星」(3)が流転の海「血脈の火」(4)が流転の海「天の夜曲」
(5)が流転の海「花の回廊」(6)が流転の海「慈雨の音」とタイトルがついています。
 
 なんと(6)が出版されたのが2011年でしたから、(1)から(6)までに27年間もか
かっていることになります。
 こんな作品は珍しいでしょうが、読者にとってはえらい迷惑です。すぐに続きが
読めるものと思っていたのに、なかなか次の本が出ない・・・何度もそんな
思いを繰り返してきた読者も多いでしょう。
 私も実は第3部までは以前に読んでいたのですが、ほとんど記憶から遠ざかって
しまっていたので今回は最初の(1)から(6)まですべてを通しで読むことにしました。
 私自身の人生と重なる部分が多いので面白くて、どんどん読み進んでしまいました。
 だが・・しかし・・まだまだ次の展開がありそうで、(7)(8)まで宮本さんは書き進むの
ような展開です。早く書いてくれないと私の寿命が持たないよ・・と思っています。
 
 宮本輝著 「ひとたびはポプラに臥す」(1)~(6) 講談社
 この本は小説ではなく紀行記です。ブッダの言葉を中国語に翻訳した
クマノラジュウという人の伝記を書くための現地調査旅行記と言ってよいの
でしょうが、砂漠を旅するという想像を絶する苦難の連続の旅を綴っています。
6冊ですが、引き込まれてアッというまに読み進んでいました。
何かを感じさせる本としてお勧めです。
 
 宮本輝 「草原の椅子」 ㊤ ㊦   幻冬舎
この小説は、「ひとたびはポプラに臥す」の旅行経験を基にして書き上げられたものです。
今年(2013年)に映画化され評判の高いものとなっています。
 爽快感の残る本としてお勧めです。
 
 このほかに、がん関連の本が7冊ほど読みましたから、約2か月で21冊ですね。
ほぼ1か月間に10冊ペースは少ないですが、今の私にはこの程度しか読めなくなりました。