中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

スポーツ指導と暴力問題

 女子柔道が指導者による暴力で揺れている。そして揺れ方が間違っている。
大阪の高校では、教師による暴力で視察者が出て問題となった。
 日本では、運動部が強くなるために[鍛える]という名目で指導者による暴力が
容認されてきた。
その背景には、精神主義という厄介なものを信じる単細胞の指導者が多かったの
だろうと思う。
 オーストラリアで空手を指導して5年と言う方がいる。昨年日本政府から
勲章をいただいた方でもある。
豪州に長く住んでいたので彼とも親しく付き合っていた。そして彼から聞いた
豪州でのスポーツ指導について、日本とあまりにも違うあり方に驚いたものだ。
 まず、先輩後輩の区別すらしないそうだ。日本の場合はどうだろうか。先輩、
後輩が厳然と区切られていて、先輩の言うことなら黒でも白ですと答えなければ
ならないほど厳しい時代もあった。
 指導される側とコーチとの間にも壁はない。信じられないだろうが事実なのである。
強化合宿に行くとする。
 生徒たちは、朝起きて、それぞれ自由に食事をすませる。コーチが起きて
車で待つなどと言うこともない。キャンプでも、後輩先輩の差もなく、それぞれが
[一人の人間]として存在し、行動する。
 すべてのスポーツにおいて同じだそうである。そんなことをしていたら、強く
なれないと思う人がいるに違いない。
しかし、「オリンピックの、人口当たりのメダル数」が、世界一だと聞いてどう思う
だろうか。
 しごき、暴力、先輩、後輩の差別がチームを強くすると思っているのは、
井戸の中の蛙であって、世界観を持たない、単細胞の指導者なのではないだろうか。
日本と言う国は、根本から教育を見直さなければならない国ではないだろうか。