中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(120)

 
(120)
大事件の発生
 
地域のリーダーたちの会合に呼び出されてから半年ほど経ったある日、
大事件が起きました。いつまでも大事件と語り継がれるほどの騒ぎで
した。
その日の前日、近くの板宿駅で、ある公立高校の生徒と私たちの学校
の生徒が「メンチの切り合い(にらみ合い)」になり、近くの空地で
「タイマン(一対一のケンカ)」をやったのです。(どちらが勝った
のかは分かりません)。翌日、その公立高校の生徒とその仲間が、
まったく関係のない私の学校の生徒を囲み、空き地まで連れて行き
、殴る蹴るの暴行に及んだのです。もちろん、これらのことは後刻に
なって判明したことですが。
私は教師たちに、雨の日とか生徒がうっとうしくなるような日は注意
するようにと言っていたのですが、二時限目になって、あるクラス担
任が、
「どうも様子が変です。全部で二十名ほどのがいなくなっています。
どうも単なるサボリではない様子です。全体にざわついています」
と報告がありました。そこで、様子のおかしい生徒を呼んで聞いた
ところ、ある公立高校へ向かったらしいが、詳しい事情は分からな
いということでした。
急いで、その公立高校へ電話してみると、先方も、電話しようとさ
れる矢先でした。
「お宅の生徒が五人、職員室へ入ってきて『生徒の写真があるやろ、
それを見せて欲しい』と言うので聞いてみると、ケンカの相手を探し
ているということでした。まだ詳しい事情は分かりませんが、とり
あえず第一報だけ入れておきます。じゃ、また後ほど」
こちらからも教師数人が駆けつけ、いちおうの決着をみましたが、
二十名もの生徒が他校へ押し入り、さらに五名の生徒が職員室へ行き
写真を見せろと強要したことは、どのような理由があるにせよ異常な
ことでした。だが、単純にものごとを考える彼らは、自分たちのとっ
た行動にいっさい罪悪感を持っていませんでした。
彼らに、彼らのとった行動の誤りを説くのにかなりの時間を要しま
した。この事件の処理を誤ると今後学校間の対立になりかねませんし、
万一そのようなことになると、他の学校にも累を及ぼすことになり
ます。しかし、先方の公立高校から、先生が関係した生徒全員を連れ
てこられたうえ謝罪され、ケガをした生徒の治療費も負担すると申し
出られ、この一件は落着しました。
この時の処理がスムーズにいったためか、この学年の生徒たちは、
二度と他校の生徒と争うことはありませんでした。しかし、本当に
肝を冷やした事件だったのです。
 このようなことが報道されれば「事件」として問題視されるでしょう
し、学校の存続に大きく関わる出来事でした。しかし、生徒の行動には
問題がったとしても、ある意味で筋の通したことだという意味では生徒
を評価しています。