中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(119)

(119)
ホームルームでの話し合い
 
 私は、思い切ったことをやることにしました。生徒だけでなく教師
に対しても刺激を与え、落ち着いて物事を考えさせようと考えて、
一週間ぶっ通しのホームルームを実行したのです。授業をやらず、
次のようなテーマで話し合いをしました。
(一)学校と近所の関係を考えよう。君たち生徒は、無人島に上陸
したつもりで、好き勝手しようとしているけれど、その島には先住民
がいたのです。先住民は静かに暮らしていたのです。
 君たちは、先住民と仲よく暮らすことを考えなきゃいけない。先住民
の居住区へ入らないこと。路地は私有地であって、誰もが使用できる
道路ではないのです。路地でタバコを吸う生徒がいたらしいけど、近所
の人たちは、火災をとても心配しています。
(二)お店に物を買いに行ったり、食べに行くのは自由です。しかし、
店先に大勢並んで、マンガを立ち読みしたり、狭い店に大勢で押しか
けたり、食堂で、他のお客さんがいるのに大声で騒いだりしないよう
にして下さい。大勢でお店に行くと、物がなくなった時に万引きした
ように思われるし、食堂などで大声で話すことは、他のお客さんの迷惑
になります。君たちは、商品を買ったり食べたりしているので、お客さ
んだと思っているらしいが、お客さんがお店を選ぶ自由や権利があるの
と同じで、お店もお客さんを選ぶ権利があるのです。これ以上、お店に
迷惑をかけて、「私の店へ来ないで欲しい」と言われないようにして
下さい。
(三)食べ物や飲み物を買って、袋や空缶を道路に捨てる生徒がいますが、町が汚くなったと言われないように注意しましょう。そして、定期的に
近所の掃除もしましょう。
これだけのことを、一週間かけて生徒たちとじっくりと話し合いました。「自由や」「勝手や」「客の権利や」「歩くのも自由や」などと口々に
叫ぶ生徒に、最低マナーだけは守ろうと呼びかけたのです。
このホームルームの効果はありました。路地に立ち入る生徒はいなくな
りました。袋や空缶を捨てる生徒も少なくなりました。
 
 町内会の集い
しかし、このホームルームが開かれている週のうちに、板宿地域内町
内会代表、各商店街代表、青少年育成の関連の会の各代表が公民館に
集まるので、理事長と校長は出席するようにとの連絡がありました。
約二十名の各代表の方々が集まっておられるなかは、私たちは出かけ
てのです。
どのような学校なのかという質問に、私は、中学校を卒業後、行き場が
なくした彼らを救うことは、私たち大人の側の責務だと考えています。
どうか、私たちのやろうとしていることをご理解いただき、応援して下
さるように、と訴えました。
かなり厳しいご質問やら、ご指摘がありましたが、誠意を持って応対し
話し合いをしているうちに、「分かりました。あなたがやろうとしてい
ることは大切なことだということは理解できました。しかし、学校がな
ければ、私たちが迷惑することはなくなるということも事実です。今、
お話をおうかがいしたところでは、すでに生徒に対して指導して下さっ
ているということですから、私たちは待ってあげましょう。一年間、
様子を見ましょう。一年経っても同じ状態でしたら、この町を出ていっ
てもらいますよ。
いいですね」とリーダーの方が話をまとめて下さいました。この日集
まった方たちも、それぞれグループのリーダーの方ばかりでしたので
紳士的に話し合うことができたのでしょう。