多くの人は、自分はがんに罹らないと思っている。
2人に1人が罹るといっても信じようともしない。
罹りたくないと思うからだろうが、自分だけはかからないと思い
込みたいという気持ちが働くのだろう。
喫煙をする人だけならいいが、受動喫煙によってがんになる
ことが多いだけに、喫煙者は自覚してほしい。
アメリカでは、すでに30年以上前から「喫煙の害」を強く打ち出し
喫煙者を減らすために方策を重ねてきた。
だから、アメリカでは、日本と違って、がんになる人の数が減って
来ている。それに対して、日本ではまだ増え続けているという。
喫煙によるがんは「肺がん」だけではなく、多くのがんの発症に
関係する至って危険なものなのだ。
飲酒はよほどの暴飲でない限り特にがんの発症と関係はないが、
喫煙と結び付くと発症率が高くなる。
強い関係にある。
その中でも、喫煙による肺がんの場合は「小細胞がん」になりやすく、
見つかった時にはすでに残された寿命は長くはない。がんが見つかる
までに20年~25年もかかるのに、見つかった時にはすでに時遅しと
いうわけだ。
がんは、長い時間をかけて(場合によっては10年~30年)大きくなる。
一つのがん細胞が分裂を重ねて大きくなるには時間がかかるのだ。
しかし、目に見えないような極小のがんを見つけること100%できない。
早期発見と言っても1センチ未満(8ミリとか)ということであり、すでに
がん細胞は1億にも達している。
症状があってから検査を受けて見つかるという場合には、早期発見は
あり得ない。あったとすると偶然に見つかったというにすぎない。
中年までに体内にがんが発生し、10年~30年の年月を経て、60歳~
70歳に見つかるというケースが多い。
若いころには、それまで生きられればそれでいいやと思うだろうが、
実際にがんを告知されると、そのような気持ちは吹っ飛んでしまう。
喫煙を止めたらと忠告すると「煙草を止めるぐらいなら死んだ方がましだ」
と言う人が多い。しかし、がんを告知された途端にシュンとなってしまう。
告知されてから禁煙しても間に合わない。止めるなら、今日直ちにやめる
ことをお勧めする。なぜならば、あまりにも多くの人が喫煙によるがんの
ために苦しんでいるのを目の当たりにしているからだ。
がんになっても「先端医療を受ければ治る」と思っている人が多い。
がんはそれほど甘いものじゃないということも併せてお知らせしておこう。