中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

今週のお題「大人になってから克服したもの」

今週のお題「大人になってから克服したもの」

   誰がこんなお題を考えたのだろうと感心する。

克服ということが主な題材になっているから、いろんな角度から

考えてみたい。

 まず、大人になってからということなのですが、人は一人ずつ

大人になる時期が違うのです。 発題した方は、たぶんもっと大雑把に

考えておられると思う。 

 実はわたしは、俗に「おちこぼれ」といわれる15歳の生徒を

救うべく高校を作りました。40年前の話です。

600名の生徒と50人の教師たちと付き合う中で人の多様さを

身に染みて感じました。

 文科省が作るカリキュラムというものは、すべての教科を

生徒たちに押し付ける形で作っています。 生徒一人一人の

事情などにはお構いなしに、小学校3年生の二学期の算数は

何を教えるか、憶えなきゃいけないのかをきめて、押し付けている

のです。

 でも、子供たちは一人一人の顔が違うように記憶力も

違うのです。

 文科省の作ったカリキュラムを「新幹線」と例えるなら、

大阪発の新幹線列車が東京駅に着いたころ、ある生徒は大阪駅

出たばかりの所をのろのろ走っている各停電車のようにしか前に

進んでいない。落ちこぼれで出発したようなものです。

 人は、そのような生徒を落ちこぼれとかという言葉で

馬鹿にしますが、各駅停車しながら立派に東京駅に到着する

列車のように、「大人」になって立派に社会に役立つ人として

働いている現実をたくさん見てきました。 

 いつか自立して大人になってさまざまなことをひとつづつ

克服して大人になっていく。 そういう人が多いことを知っている

ので、のんびり歩んでいる子供たちを温かい目で育ててやってほしい

のです。 

「差」をつけないで「較べないで」見守っていると、いつの間にか

立派な姿になっていることに気付かれることでしょう。

 私は「冷凍された種は、懐に入れて人肌でゆっくり解凍すると

やがて芽が出てくるものだ」と多くの人に語り掛けてきました。

 あなたも、そんな暖かい人になってくださいますように。