サーフィン競技を見るのがこんなに疲れるとは思わなかった。
その原因の多くは台風の余波だ。
オースチラリアに長く住んでいたのでサーフィンはよく見ている。海から家まで歩いて10分の距離であり、サーフィンのメッカの場所も近かった。
今日の五輪準決勝は見てないが、五十嵐が世界ナンバーワン選手に逆転で勝っていたことは知っていた。
女子の筑紫有夢路選手が銅メダルを取ったこともニュースで知った。
あちこちチヤンネルを探し回って、ようやく決勝戦を見る事ができた。
相手はブラジルの野獣と呼ばれているフェレイラ選手だ。日本の五十嵐選手は産まれた時からの運命を背負っての戦いだった。
ところが、台風の影響で波が只事ではない。
波が順に来るのではなく、打ち返す波とぶつかって泡立つ波だった。
フェレイラ選手が波に乗ったと思ったら、叩きつけられてサーフボードが割れてしまった。
限られた時間の中で、いい波を見つけて演技をして、その合計点で勝負が決まる。
フェレイラ選手はボードを取り替える時間をミスしたことで慌てたのかも知れないが、次つぎとトライして点数を上乗せして行く。
だが五十嵐選手は、いい波を待って待っている間に時間が過ぎていった。
結果的には、トライする気持の強いほうが勝った。
五十嵐選手は、一発逆転の波を求めすぎたように思う。
画面の右から左へ演技するのを見慣れているが、
フェレイラ選手は、咄嗟に右から左への波を捉えた。台風の影響による波の流れをいち早く読み取っていたようにも思える。
五十嵐カノア選手は残念ながら銀メダルだった。