2016年の国民投票における離脱多数という結果を受けて始まった
ブレジット(BREXIT・英国のEU離脱)プロセスは、想定外の政治
ドラマを生みメイ首相も退陣させてしまった。その直接的な原因は、
困難な交渉を経てようやく合意に至った離脱協定案が下院の採決に
おいて3度も否決したことだった。
メイ首相の退陣によって実施された保守党党首選挙でジョンソン氏が
圧勝し、首相に就任したことも驚きだった。イギリス版トランプの
登場に思えた。
想定外のドラマ的議会の混乱の結果、総選挙に訴える手段を選んだの
だった。あと5日後の12月12日に実施される総選挙によって、英国
政治の手詰まり状況が打開されるかどうかに世界が注目している。
何はともあれ、これまでに書いてきたように、アイルランド問題が
横たわっている。英国は過去の亡霊に取りつかれたかのように、アイル
ランド問題から離れられないのだ。
もし・・英国とアイルランドの問題にご関心がおありでしたら、
「愛蘭土(アイルランド)紀行」Ⅰ・Ⅱ 司馬遼太郎著 朝日文芸文庫を
ぜひにと、お勧めします。 司馬さんがアイルランドを訪問される3年前
に私たちは行ってきたのですが、もし司馬さんのご本が先に出版されて
いたなら、どんなにか見方が違ったか・・と悔やまれたものです。
英国が北アイルランドを手放さないでしょうから、永遠に複雑な問題は
残ることでしょう。