中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

毎日新聞「余録」の名文を

 毎日新聞「余録」朝日新聞の「天声人語」と共にそれぞれの新聞を代表する文章として
親しまれている。よくも毎日これだけの記事が書けるものだと心服してしまう。
本当は毎日みなさんに読んでいただきたいのだが・・今日は無断転載の失礼をいも顧みずに
ここに紹介させてもいらいたい。 ぜひお読みください。
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明治の末に「円形デッドボール」という球技が日本に紹介され、たちまち
小学校に広がった。これ実はドッジボールのことで、大正末にはコートも
円形から方形になって名称も変わり、捕球のルールもできた
▲「ドッジ=dodge」は「身をかわす」「避ける」という意味である。むろん
球だけではなく、質問や責任追及を巧みにすり抜ける意味でも用いられる。
こちらの場合には「はぐらかす」「しらを切る」という訳の方がふさわしいだろう
▲記録文書の改ざん・隠蔽(いんぺい)、説明の食い違い、新疑惑が次々に
わき出る森友(もりとも)・加計(かけ)問題である。疑問の球はたまるばかり
なのに、「関与はない」「プロセスは適切」と従来通りの答弁で身をかわした
きのうの集中審議の安倍晋三(あべ・しんぞう)首相だ
▲直近の展開で仰(ぎょう)天(てん)したのは、愛媛県文書の首相と加計
学園理事長の面会情報が自分らの捏造(ねつぞう)だという学園側発表
である。こんな重大な“背信”にも、首相は「コメントのしようがない」と怒る
様子もない。かわし上手にもほどがある
▲どんな疑問の球が飛んで来てもはぐらかし続ける首相だが、おかげで
政府というコートの中はさんたんたるありさまである。首相を球から守る
ために犠牲になったのは役人の規律や矜(きょう)持(じ)、公文書への
信用、行政への国民の信頼だった
▲きのうの審議では贈収賄などの不正はないと強調した首相だが、いま
世論が問題にしているのはそこではない。民主主義の統治の中枢を改ざん
、隠蔽、見えすいたウソまみれにした政治指導者の責任である。