中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

北朝鮮・深く考えよう(7)中国の立場

 北朝鮮問題での中国の反応がとても興味深い。
国連の安保理などでは譲歩しながらも「制裁」には一応は協力的姿勢である。
中国はアメリカの「戦争好き体質」をよく知っているから、いきなりアメリカが北朝鮮
攻撃を加えるよな事があれば迷惑千万なことになるから、なるべくならアメリカを
刺激したくないと思っているのだろう。
 最近は北朝鮮金正恩とは少々不仲になっているとはいうものの、中国は北朝鮮
宗主国であったわけでもあり、なにしろ共産党独裁政権と言う意味では全く同じ立場に
立つもの同士なのだから、見捨てるわけにはいかない。 だからと言ってアメリカの戦争
好きに機会を与えるような言動は北朝鮮にも謹んでもらいたいと思っているのだろう。
 制裁案が安保理で決議された後、アメリカはしつこく中国に対して制裁決議を実行する
ように求め続けている。
 それに対して中国は「制裁は決議に従って忠実に行われている」 としながらも 「この
問題はアメリカが北朝鮮との間を複雑にさせたからで、中国は本来は関係のないこと
なのだ。中国は決議を守っていることで、中国経済に損害も出ているのだ。アメリカは
北朝鮮とこの問題を解決すべきであって、中国に期待しすぎるのはやめてほしい」 と
コメントしている。
 北朝鮮問題を考える時、中国抜では絶対考えられない。絶対的な存在なのだ。
金正恩氏が中国の習国家主席を嫌いだからなどと言っても、中国抜きでは北朝鮮
守れない。 朝鮮戦争の時でも、最後の最後に中国軍に救われて今があるのだから。
 万一、アメリカのトランプが強硬姿勢に転じるとしても、中国という後ろ盾がある以上は
いくらワンマンのトランプだって容易に戦争を仕掛けることが出来ない。
 とはいっても、北朝鮮が核開発と大陸間弾道ミサイル開発を続けて、アメリカを脅せば
トランプを選出したほどの馬鹿な選挙民をかかえるアメリカが突如として「極地攻撃」と
称してミサイル攻撃も有り得るだろう。
 このシリーズではなく、他のところで書いたとは思うが、北朝鮮が核開発とミサイル
開発に国民を犠牲にしてまでも積極的に進めているのは、「北朝鮮と言う国家を米国に
認めさせるため」 なのだ。アメリカが北朝鮮を認め、国家の安寧を保障してくれ!!と
叫んでいるのだ。 世界では多くの国が北朝鮮を国家として認めている。認めていない
のはアメリカ、日本など少数の国だという事実をどう考えるかも問題だ。 
 今後一年ほどで北朝鮮核武装が進み、ミサイルの性能も増すだろう。日本にとって
とても難しい局面を迎えようとしているが、北朝鮮は日本を全く相手にしようとしない
だろう。 今後、どのような展開になるのか、ここ半年ほどが注目だが、トランプという
超個性的な大統領のもとでは、日本は置き去りにされるのではないだろうか。
 トランプにとって、日本は遠いアジアの国であり、日米安保が尊守されるとは限らない。