中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

近代日本語の歴史?

  今夜の「歴史ヒストリー」で、明治維新後の日本語の混乱を
 どのようにして、誰がまとめていったのか…というような
 話が出て面白かった。
 上田万年という一人の男が、このようにして日本語の標準語を
 まとめたということは、想像以上に大変なことだったと思われる。
  明治維新後、天皇陛下のことを知らない国民が多かったようで、
 どのようにして天皇陛下のことを国民に知らしめるかという問題が
 起こった。
  まずは、天皇陛下が全国行幸することから始まったが、こんな
 逸話も残っている
 「天皇って、誰なんだ?」「日本で一番偉いひとなんだ」
 「一番偉い人って、正一位稲荷大明神より偉いのか?」
 「そうだ、正一位稲荷大明神を任命した人なんだ」
  「そりゃ・・凄い」
 九州での逸話らしいが、田舎の下々の人には天皇陛下など、全く
 知らない存在だった。
  日本という国を一つにまとめ上げるために明治政府は腐心した
 らしい。
  標準語が作られても、すぐに役立ったわけではない。
 各地の方言で標準語を喋ると、何が何だかわからない。
 標準語というものが、本当に全国に知られるようになったのは、
 1925年にHHKが東京の愛宕山放送局から、日本最初のラジオ
 本放送が始まってからなのだ。
 ラジオ放送が始まる1年以上前から、NHKではアナウンサー養成
 を行い、その時にNHKアクセント辞典なるものを作って教育した
 らしい。現在もある「日本語アクセント辞典」は、その流れの
 中にある。
 日本全国で、ラジオ放送を聞く人が増えるたびに、標準語なるものが
 定着していったのだった。
 まだ90年しか経っていない。
 番組では、夏目漱石のことも触れられていた。わたしが書いたように、
 漱石が、誰にでもわかる日本語小説をはじめて書いた人である。
 吾輩は猫であるは、いま読んでも面白い。