中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「トイレなきマンション」にトイレがあった

 経済同友会の小林代表幹事が「二酸化炭素排出は世界的
 問題だが、原発事故は地球儀的にみれば局地的だ」と言ったという。
 なんという発言か。その発言こそ局地的な狭い了見だと思う。

 ◆ 原発から出される核廃棄没物は年間1000トンにもなり、
 もはや持って行ける場所がなくなってきている。
 原発はトイレなきマンションとも言われるし、この喩は分り
 易い。
 でも、本当はトイレはあったのだ。
 この比喩に使われる「トイレ」は、今の水洗便所のことではなく、
 昔風の汲み取り式便所のことなのだが、 上から落とした糞尿は
 下のタンクに溜められたあと、汲み取り口から汲み取られて、
 最終処分地へと持って行かれる。
 農家などでは、汲みとった糞尿を田畑に播いて肥やしとして
 使っていた。
 都会地などの場合は、汲みとられた糞尿を農村地帯へ売っていた。
 水洗便所が普及してからは、最終処理場まで下水道で流されていくが、
 40年ほど前ぐらいまで一部の糞尿は船で太平洋に運ばれて流されて
 いたようだ。
 さて…・原発の場合だが、核のゴミは糞尿と違って使いようがないばかりか
 何百年も放射線を出し続ける恐ろしい代物だ。
 原発から出された核のゴミは、発電所内にある「プール」に3年間冷却され、
 貯蔵される。
 だから、このプールが「肥溜め」の役割を果たしているので、トイレがあった
 と言うわけだ。
 でも・・・肥溜めから、どこにも」持っていけないのだよね。
 日本中の全部の都道府県が「臭いからいらん!」というか、核の最終処分場
 になることを拒否している。
 日本中の原発には、どこにももって行けない「核のゴミ」が溢れている。
 原子力発電は、発電単価は安いのだが、最終処分、撤去まで考慮すると
 石油、ガスなどの発電単価の10000倍以上にもなる。