言いふらされた言葉だが「読書の秋」という響きの中には、なにかしら
青春を感じるものがある。
若かったあの時、そうか、読書の秋か・・・本を読もうか・・と本に親しみ
始めた。
私の子供のころには、身近に本などなかった。学校にも図書室はなかった。
初めて本が面白いと知ったのは、小学校4年生ぐらい?の時だった。
戦争が終わり、教師も何をどう教えてよいのか苦しんだ結果だと思うが、
授業時間のなかで「海賊」を朗読してくださった。面白かった。ほんとはこんなにも
面白いものなのだと知った。
それでも、周囲に本などなかった。なぜか「家の光」と言う雑誌が座敷に
置いてあったので読んでいた程度だった。
少年期には読書の機会はなかったが、青年期になって純文学と言うものに
興味を持ちはじめ、同じような趣味を持つ1歳年下の青年と論議した。
今思うと、なんとも幼稚な論議をしていたのかと恥ずかしくなる程度のものだった。
30歳を過ぎて読書量が急増した。40歳を過ぎるともっと多くなった。
50歳を超えてますます読書量が増えた。人生で最も仕事が忙しかった時期
でもあったのに、読書量が増えた。
時間とは作り出すものだと思った。
60歳からは、年間500冊以上読んでいた。75歳を過ぎ白内障で読書量も
減ったが、81歳になった今、1週間に2冊程度の読書量をキープしている。
読書は人生を変える・・と、私は実感している。