中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

難民二つの流れ

 難民といっても我れ関せずと言う人も多い。難民と言っても時代に
 よって事情は様々だ。あのベトナム戦争の時には多くのベトナム難民
 が世界各地に散った。日本でも多くの難民を受け入れたが、日本を選んだ
 難民よりも豪州を選んだ難民の方が格段に幸せになっている・・と言う話は
 以前にも書いた。
  現在の難民には二つの流れがある。
 その一つはアジアにおいてである。今日現在、、こうして書いている今その時も、
 ベンガル湾に約2000人を乗せた難民船が漂っている。テレビで映像を見た人も
 いるかもしれないが、ヘリコプターから海に投じられる食料でやっと生きている
 と言う姿は痛ましいものだった。
 この難民は、ミャンマーから出ているという。ロヒンギャという無国籍人だそうだ。
 避難されているミャンマー政府は、もともとはバングラディシュから来た人たちで、
 ミャンマー政府が非難されるいわれはないと反発している。
 ミャンマーと言えば、以前はビルマと言われていた。第2次世界大戦では英国と
 日本が激しい戦いをしたところで、私の叔父もビルマで戦死した。ビルマには
 大多数のビルマ人以外に250ともいわれる人種がいるらしい。
 仏教徒ミャンマーだが、ロヒンギャイスラム教で仏教徒から迫害されたので
 逃れたという。世界には「無国籍」の人が多い。日本にも多くの無国籍人が
 紛れ込んできているから問題は複雑だ。
  もう一つは、アフリカを出てヨーロッパを目指している難民である。
 今年に入ってから、毎日千人を超す難民が地中海を漂いながら
 ヨーロッパのどこかの国にたどり着こうとしているようだ。
 難民請負業者がいるようで、そういう業者は船に乗せて、潮流で
 流れるままにしておく場合がほとんどだが、場合によっては、船を
 爆破する荒業もあるようだ。今年になってからでも1800人が難民船の
 転覆などで死んでいるという。
 あまりにも多い難民に、イタリア政府はヨーロッパ各国に割り当て
 を申し出て協議されている。ISIS問題もあって、今後はシリアなどからの
 難民も増えるだろう。公海上に難民船がいる間は良いが、自国内に船が
 入れば放置しておけないという問題がある。
 文藝春秋6月号で、塩野七生さんは興味深いことを書いている。
 もし、尖閣列島に難民が上陸してSOSを出せばどうなるのか。
 主権国は救助をしなければならない義務があり、そこで日本と中国が
 鉢合わせするかもしれない、という趣旨だった。
  戦争なんて、そんなことからでも起こることは、世界の戦史に残っている。
  もう一つの難民について書いておこう。