中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

2850km、感動のドライブ旅行(その1)

今回からしばらくは、1993年から2005年5月まで12年間に
亘って連載していた「JPオーストラリア誌」(シドニー発行)に
書いてきたものの中からいくつかを掲載しようと思う。
先ずは、1994年にエスぺランドまでのドライブ旅行を6回に
分けてお送りします。
すでに20年も前のドライブ旅行ですが、多分・・いまもそれほど
変わってはいないと思う。
機会があればぜひ訪れてほしいものだ。
 
JPオーストラリア誌 1994年3月号
パース直行便
 
2850km、感動のドライブ旅行(その1)
1月17日、私達夫婦と、親しくお付き合いしてくださっている田仲さんご夫妻の4名で、西オーストラリアのサウスウェスト方面へドライブ旅行に出かけた。
 慶應義塾の事務局に長い間お勤めだった田仲氏は綿密な方で、私達夫婦はこの旅行の計画をすべて氏にお願いするという横着さで、その上、リタイア後は毎日午前3時に寝て昼頃に起きるという生活をしている私たちに「生活リズムを変えておいてくださいよ」と心配をかけての出発だった。
 というわけで、これから旅行記を書くのだが、いざとなるとこれは難しい。確かに初めて行くところだし、美しい場所も多いし、感動の連続ではあった。しかし、すばらしい!すばらしい!ばかりでは芸がないし、これから2850Kmの旅をどのように書けるか、まずは出発。
 全行程の概略は次のとおり。
Perth-Bunbury-Margaret River-Augusta-Margaret River-Pemberton-Denmark-Albany-Esperance-Albany-Perth 以上2850Km、6泊7日間の旅である。
 これだけの旅で6泊7日は少しきつい感じだが、真夏のこととてわが家の植木や花たちをスプリンクラーだけに任してもおけず、ぎりぎりの日程で仕方のないところ。
まず私は出発前から心配があった。以前から長距離運転をすると腰に痛みが出ることが度々ありその懸念があったのだが、私より年長の田仲氏は、かってラリーの経験もあるベテランドライバーだと知ってまずは安心。
 第一日目。午前9時パースを出発。一時間ほどでMandurahに着く。この2年間、家内が連れて行って!と哀願しても「遠いから嫌だ!」といっていたマンジュラまで、あっという間に着いてしまった。4、5年前からこの町の計画的な拡張があって、今ではかなりの町に成長している。この町は水の街といえるほど海と川と湖に囲まれているために、水面に面した家が多く、家の前にボート桟橋を持っている家が少なくない。私がもう少し若ければここに住んでもいいなと思う。ここのパームスプリングスはゴルフ場としても一級品である。ゆっくりしたいが長丁場の旅なので、街を一周してそのままドライブを続ける。やがて、南西地方の旅の拠点といわれるバンバリーに着く。西オーストラリア最大の漁港の街でもあるバンバリーは、近代的なビルもあり、展望台や灯台など観光施設も多いのだが、街を一周して走り過ぎた。
 バンバリーを過ぎた海水浴場で(日本の海水浴場とイメージが違うが、ほかの表現が見当たらない)インド洋を見ながら昼食を取る。パースから224Kmのバッセルトンに着き、海岸の公園で小休憩する。目の前に長い桟橋(Jetty)が見える。これは1982年の台風で崩壊したものを地元の人々の運動で再建されたもので、全長2Kmもあるという。釣り場としてはこれ以上はない絶好の場所に違いない。バッセルトンにいた時間は僅かだったが、ここを最初の宿にしてもよかったね、と話し合ったほどに印象に残る街であった。
 Dunsboroughには、貝、水中生物の個人博物館としてオーストラリア最大を誇るGrenacres Shell Museumがある。しかし、何といってもYallingup Caveは圧倒的であった。ヤリンナップ鍾乳洞の美しさについては次の号に譲りたい。