中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「根回し」習慣が人材をダメにする

根回しという言葉をご存じだろうか。
会社や役所に勤めている方はよく知っておられると思う。
会議の前に、これから開かれる議事についてあらかじめ
参加者たちに了解を得ておくと言ったものだ。
 
これは国会でも使われる。
議会で質問に建つ議員は、あらかじめ質問内容を伝えておくことに
なっていて、官僚達がその質問事項に対する答えを大臣たちに
教えることになっている。いうなれば、議会という場を借りた演出である。
 
 欧米の議会は、そうではない。どんな質問が出るかわからないから
首相や大統領は大変だ。日本の国会の茶番劇とは違う。
 
 役所などが行う、民間人を含めた会議の場でも根回しが優先する。
バカらしくて会議に出る気も起らないほどである。
会社の場合もそうだ、だから、そういう経験を何十年もしてきた人たちは、
自分でものを考えると言う習慣に欠けている。
 
 いつどんな時でも、いかなるケースでも対応できるだけの心積りを
持っている人は少なくなっている。会議の場で、どんな話になっても
対応できるためには、日ごろの心掛けが大事なのだが、根回しに
馴れてしまうと心の準備も出来なくなってしまう。
 根回しというのは、日本の最も悪い習慣なのだが、グローバル化
進む時代になってもなくならないのはどうしたものか。
 人材が育たないのは「根回し」を止めないからだと私は考えている。
 どんなに小さな企業やグループであっても、主要な役割を与えられている人は、
いついかなる事態にも対応できる準備をしておくべきなのに、そういう人が少なく
なっている。いついかなる事態という想定もできていないようだ。