中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

第2の人生(9)

 退職後に海外移住を考えている人にも、それぞれの人生設計がある。
日本での生活に疲れたので、外国でのんびりしておりたいという人もいる。
ゴルフ三昧の日々を送りたいと考えている人は、かなりの数になるだろう。
ほとんどの人が、遊びたいと思っているようだ。日本だと、退職といえども
遊んでいると白い目で見られるが、外国だと遠慮なしに遊べるからだという。
 しかし、退職後といえどもかなりの年数がある。それを遊びだけに使って
いいのだろうかという思いが、私にはあった。
 ゴルフが上達してシングル級になったとしても、たかがゴルフではないかと
思ってしまう。釣りが好きな人もいる。日本での釣りの場合は、魚との知恵比べ
という面白さがそこにはある。しかし、オーストラリアでの釣りは、魚が釣られる
ことに慣れていないので、言うならばアホなのだ。だから、いくらでも釣れる。
初めのうちは、どんどん釣れるから楽しいが、その内に飽きてしまう。釣れない
魚を釣る楽しみと、いくらでも釣れる釣りというものでは醍醐味が違うのだろう。
 ヨットやボートなども、安く買えるし、あちらではポピュラーなスポーツである。
所得が少ないのに、パースなどは人口比で世界のトップクラスのヨット、ボート
保有数を誇っている。しかし、インド洋は広いが広すぎて変化が少なく、どこかに
行こうと思えば燃料費が馬鹿にならないぐらい高くつく。遠距離航海になって
しまうからでもある。
 ヨットは素晴らしいが、風の町と評されるパースなどの西海岸でのヨット操作は
簡単ではない。かなりの技術が要求されるというわけだ。
 オージーにこんなことを問われた。「中原さん、海岸から1キロ沖に出て、どこ
が一番近いか知っていますか?」と。彼の問いの意味を分かりかねた。
彼が説明するには「海の底が一番近いのです。だから危険なのです」と。
彼なりの説明だが、とにかくヨット、ボートはとても危険だよと忠告してくれたの
だった。