戦略、戦術、謀略、陰謀・・・どんなにことばを変えてもその実態は
大して変わらない。
プロパガンダは、それらをめぐらす時に大きな働きをする。
日本軍における南京大虐殺では、実際は何人が殺されたのか
定かではない。中国側では10万人以上とされており、日本側は、
そういうことはあり得ないと主張している。
いずれにしても、虐殺があったことは確かなようだが、それよりも
当時の虐殺写真(10万人をあらわすものではない)が西欧諸国
のマスコミに大きく取り上げられた事実である。
この写真は、その後もプロパガンダ用に何度も西欧諸国の新聞
を賑わして、日本人がいかに残虐な国民であるかをアピール
し続けたものだった。
謀略とか、陰謀は自国民をうまく騙すことがその目的を達成
するために必要となってくる。外国をだますより自国民を騙すほうが
国家をかじ取りする場合には大切な要素なのだ。
これは現在の外交にも当てはまる手法である。
溢れていた。もう戦争など2度としたくないという風潮が国中に
ベルト大統領は、アジアにおける日本の進出に頭を悩ませていた。
しかし、厭戦気分の国民をどのように変えていくことができるかが
大きな問題でもあった。
南京大虐殺の写真(その写真の真偽は分かっていない)や、
一連の日本人野蛮人説に使われそうな写真が多くプロパガンダに
利用され、西欧諸国の人たちに日本人が嫌われた事実がある。
その事実の一つとして、今から20年前の時点ではあるが、
アメリカ政府が、他国に対して作られた排斥法案と言うものがあって、
世界中で日本に対する排斥法案が最も多い事実に、当時の
在アメリカ日本人社会の人たちが抗議したことがある。1990年代に
あっても、まだそういう風潮があったという事実は知っておくべきだろう。