はりま粒友クラブという、あまり聞きなれないがん患者会がある。
兵庫県立粒子線医療センターで治療を受けた人たちのグループだ。
同時入院中の仲間が退院後に結成する親睦会的なものはたくさん
あるらしいが、「はりま粒友クラブ」の場合は親睦会的なものではなく、
退院後の経過報告会を兼ねている。
などからも参加する。
遠方で参加できない人のためにニューズレターなどもあるが、メンバー
に退院後のアンケート調査を行ったこともある。
そのアンケート調査では、粒子線医療センターが公表している「実績」
と大きな違いがあるのに驚いたものだ。どうもセンターでは、本当の意味の
追跡調査が出来ていないのと、患者を集めるために、都合のよい数字を
公表しているのではないかと考えている。
「先端医療」として、保険会社が力を入れて売り出している商品には、
粒子線医療も含まれる。知らない人は、これらの保険にさえ入っておれば、
いざという時に粒子線医療でがんは治ると大きな勘違いをしている人が
多いようだ。
しかし現実は違う。「がん」はそれほど生易しいものではない。そのうえ、
粒子線医療を受けられない部位のがんが多いので、保険に入っていても
受けられないこともある。
先端医療と言う言葉に踊らされないようにしないと、大きな間違いをする
ことにもなる。
粒子線医療を受けた仲間が、これまでに沢山亡くなってしまった。粒子
線医療さえ受ければ治るものと堅く信じて高額な費用を払った人もいる。
医療と言うものは、高額だから効果が高いというものではないのだが、
多くの人たちは、この辺を錯覚するのだろう。
明日は、3カ月ぶりに顔を合わせる。だんだん少なくなってくるメンバー
だが、生きていることを確認し合う時でもある。