中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

菅首相の太陽光発言の真意は?

 菅首相は、パリであった経済協力開発機構OECD)設立50周年
記念行事で、原発事故後のエネルギー政策を語る中で、「設置可能な
約1000万戸の家の屋根にすべて太陽光パネルを設置することを
目指していく」と宣言した。
 太陽光発電協会の2020年段階の目標戸数は530万戸だと言うから
約2倍の目標となる。
 現在の太陽光発電を実施しているのは約55万戸と言われているから、
1000万戸という目標は、とてつもなく大きく、実現性に疑問がもたれている。
そのうえ菅さんは閣僚たちにも事前にこの件を話しておらず、OECD
席上で思いついたかのように発言したと言うのだ。
 さて、菅さんは閣内の不協和音まで引き起こしてまで、どうしてこんな
大言壮語を言ってしまったのだろうか。
 菅さんなりの計算があっての打ち上げ花火だと私は思っている。
脱原発を打ち出すわけにはいかない。何より日本の経済界が脱原発には
猛烈な反発をするだろう。
福島第1原発事故を収束までまで持って行くには、アメリカとフランスの
協力なくしては出来ない。少なくても数年間は両国の協力が必要となる。
アメリカ、フランスは原発推進の立場を堅持しているから、今の段階で
日本の脱原発を世界に向けて公約は出来ない。
 そこで、脱原発を言う代わりに自然エネルギーの開発を進めるという
話しの中で、敢えて太陽光発電パネルを1000万戸の屋根に載せてみ
せる大見えを切ったのだろうと思う。
 ではこれは全く不可能なことなのかと言うと、そうではない。今後20年間
の間に1000万戸実現は可能なのである、
 自民党政府は、太陽光パネル設置への補助金を2005年に打ち切った
経緯がある。それまで順調に推移していたのに、打ち切った背景には
原発推進派の意向があったのだ。
 補助金が打ち切られてからは、主に輸出に頼りながらも成長を続けて
いる。今後は原発推進のための巨額の交付金などを太陽光発電
補助金に充てることによって新築家屋だけではなく、改築時にも補助を
どんどんすればよい。そして何よりも、全量買い上げの法律をつくり、
発電と送電を切り離す法律を作ることだ。
 9電力の猛反発が必至だけに、これを打ち出すことが菅さんの命取り
になることは間違いないが、国民に訴え、呼びかけてほしい。