中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

災害は忘れたことにやってくる。

3月20日付けの毎日新聞の「余禄」欄で、1854年に起きた津波被害を伝える石碑が大阪湾に
あり、「心ある人は、年々石碑に書かれた文字が読みやすいように、墨を入れて下さるように
お願いしたい」(私の意訳)と、津波被害の記録を書いたあとに、そう書かれているらしい。
後世に悲惨な津波の恐ろしさを伝えたいとの願いからだろう。2度と災害を繰り返さないようにとの
願いでもあろう。
 
TVを観ていると、77年前に津波被害を受けた人、50年前にも受けた人たちがいた。
そして、今度もう一度、この場所に家を再建するかで迷う人々の声が伝えられた。
何度もやられながら、住み慣れた場所に愛着があり、離れがたい人。
子供に2度と同じ思いをさせたくないからと、住み慣れた場所から離れることを決断した
人たちもいる。
いずれにしても難しい決断だろう。そう簡単に決められることではないかもしれない。
 
最近は、地名を変えることが多くなってきていて、古い「字」から推察できる場所が少なく
なってきた。しかし、「字」には、昔の記録的な要素が詰まっていると言える。
今回の大震災で被害を受けた地域の「字」についてだれか検証する人が現れないだろうか。
卒論を書く学生たちよ、「字」の研究をされたらいかがだろうか。
今回も珍しい地名をみた。門の中に水という字を入れた漢字(調べても出てこない)に上と書いて、
「ヨリアゲ」と読んでいたように記憶する。どんな意味を持つ言葉だろうか。
この「字」には大津波の匂いがする。
 
全国の「字」の中には、その場所を表す文字が多い。造成などで地形が変わっても、いつかは
そこで災害が起きることが多いものだ。
昔の人々の知恵が「字」に隠されている。その知恵を無視するとひどい災害を受ける可能性だって
あることを忘れないでおきたい。
「想定」は、そういう先人の知恵を多いに生かしたものであってほしい。