中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

救急医療知識の不足を感じる

もう終わってしまったが、NHKの番組で「ドクターG」と言うのがあった。
病院に担ぎ込まれた、駆けこんだ患者の容体を観察し、患者から経緯を聞いて
病名を特定し、治療に結びつける。
一人の指導医が4人の研修医に、患者のデーターを提示し、考えられる病名を
付けさせる。追加のデーターを見せて、もう一度病名を考えさせ、次いで3度目の
データーを見せて最終的な病名を当てさせるというものだった。
1度目のデーターでは、4人の研修医の考え方がバラバラだったものが、3度目の
データーでみんな揃って正解という場合と、最後になっても病名がバラバラと言う
こともあった。
 
夜間の緊急医療においては、研修医が担当している場合が多い。もし自分が担ぎ込まれた
時、どんな医師に診てもらうことになるのだろうかと考えたりした。
これほど病名に対する考え方が違うと、処置の仕方まで違ってくる。場合によっては、
助かる命も助からないかもしれない。
 
家内が3年半前に急に「頭が痛い」とうずくまるので、初めて救急車のお世話になった。
結果は「メニエール症候群」だった。中年以降のホルモンバランスが崩れてから起こる
内耳の病気で、強烈なめまいと吐き気が起こる。
その後、時々めまいを起こしてはいたが、吐き気を伴うようなものは長らく起こらなかった。
それが今年2月に入ってから3度も激しい症状が起こり、そのたびに数日間は動けない、
飲食出来ないという厳しい状態だった。
1昨日野深夜になって、今度はガタガタ大きく震えだした。血圧を計ってみると190ー90もある。
普段から多少血圧が高いと言うことで減圧薬を服用していて、いつも125-60ぐらいに安定
安定していたのだが、この時の190-90と言うのは高すぎる。簡易血圧計なので、実際には
もう少し高いのだろうと思う。
ここにきて、私は慌てた。どう判断してよいのかと・・・。
時間を見ると深夜12時を過ぎている。自分の車まで動かせることはできないから救急車を
呼ぼうかどうか・・迷った。
原因はメニエールだと思っている。だったら慌てることはないと思う。だが、この震え方はなんだ?
この血圧の急上昇はなんだ?? 拙い知識で考えを巡らす。
 
普段「がん相談」を受けている。大概のことには驚かない。いつも冷静に判断してアドバイス
している。だから、ある程度は普通の人よりも医療に対する知識はあると思っている。
自分のことなら、ある程度の判断が出来るとも思っている。
しかし、家内の場合は、やはり気が動転してしまう。どうしよう・・救急車を呼ぶか呼ぶまいか。
救急車と言うのは、マンションの部屋から担架にのせてくれるのはなく、袋に入れてぶら下げて
運ぶのを前回に見ているだけに、かわいそうな気もする。
それに緊急医療に携わっているのは、多くの場合研修医だと思うだけに、気が進まない。
 
1年前にこんなことがあった。家内が「頭が痛い」と夜中にベッドから降りてうずくまった。
ベッドに寝ておれないと言う。その痛がりように動揺した。その時も午前2時ごろだった。
救急車を呼ぶことを決心したが、家内がやめてと言う。
結果的には、2時間ほど苦しんで収まった。以前に家」と。毎夜、3時間も4時間も仰向けに
なって本を読む習慣があった。それを20年以上続けいていた。
私も同じことをしていたが、手の指に異常が起こり、それが読書のせいだと思ってから、
ベッドの上では読まないようにした。だから、家内にも何度も注意していたものだった。
家内は、強烈な痛みの中で「首のこむらがえり」だと思ったようなのだ。
そして、その後はベッドでの読書をやめ、そのような症状は出なくなっている。
もし、あの時救急車で運ばれていたら、どんな検査をされ、どんな病名が付けられたのかと
考えてしまう。
 
さて、今回はめまいで倒れて3日目であったことなどから、少々慌てた。
しかし、いや・・もう少し考えよう・・と、いつも相談医としてお願いしている姫路の大頭先生に
深夜であるにもかかわらず電話で相談した。
「早く収めようと思えば、救急車を呼ぶしかないな」と言うことだったが、血圧の高さは気にする
ほどのことはないと聞いたので、気持ち落ち着いた。血圧のことだけが心配だったからだ。
翌日から少しずつ快方に向かっているが、あともう少しだ、
救急時の対処の仕方など、何の知識も持っていないことを嫌と言うほど思い知らされたものだ。