中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

不況の時代をどう生き抜くか(10)

不況の時代をどう生き抜くか(10)

建築など、それまでの私と何ら関係ない。
自分で家を建てた経験があり、その家が登記して売れたなどといっても、しょせんは
素人仕事である。
それなのに、なぜ建築会社の専務になれたのか。

結果的には、社長とけんか別れをしてしまうはめになる。
儲け第一主義の社長方針と、何千万円という大金を支払って自宅を得ようとするお客様
第一主義の私との距離は埋まらなかった。
テレビのワイドショーでは、途中で商品を売るコーナーがある。私が出ていたワイドショー
のスポンサーは高島屋さんだった。商品説明などは専門のアナウンサーいる。そしてその
アナウンサーの説明に司会者が絡んで話を盛り上げる。
事前に商品を良く見ておき、その商品の特徴などをコメントしていたが、中には気に食わない
商品もある。そういう場合は、私は絡まない。コメントしない。
ある日、ディレクター氏から「お客さんが、今日の商品に中原さんがコメントしなかったが、
あまり良くない商品ですか」と問い合わせがあったというのだ。だから、毎回必ずコメント
してほしいと。私は答えた「自分の目で見て、判断して、お客さんにお勧めしたくない商品は
コメントしたくありません」と。

わたしの生き方でもあるから、建売住宅の場合はなおさらであった。二千万円、三千万円と
いう、その人にとっては一生で最も大きい支払いとなく自宅取得だから、後々喜んでもらえる
ようなものを建てようと私は思った。
社長は、利益を優先しないと会社は成り立たないと主張した。社長の言い分は間違いではない。
しかし、消費者の立場に立ってしまう私には納得できない。そんな日が続いた。

そんなある日、元雑誌記者で不動産ブローカーをしていたFさんといつものようにファミリー
レストランで昼食をとりながら土地情報などを聴いていた。
彼が突然「中原さんは、建築や不動産をやる人じゃないですよね。常々教育問題などを熱心に
しゃべっているじゃないですか、実は簡単に高校が作れるのですが、やってみたらどうですか」
と話し始めた。

その翌日、私は大阪にある高校の校長を訪ねた。
そしてF氏から聞いた話をすると、校長は大笑いして「そんなことができるはずがないでしょう。
その人は、勘違いしているのか、あなたを担いだのかのどちらかでしょう」と言う。
私は大恥をかいた。そりゃそうだ。高校が簡単に作れるはずがない。それに私には資金がない。
学歴がない。教育者としての教育も受けていない。ガセネタだったかと思いながら、あとは
校長先生との雑談となった。

校長が最後にいった。
「中原さん、あなたは教育関係におられなかったということですが、どうしてそんなに教育に
熱心なのですか。どうしてそんなに詳しいのですか。教育現場にいる教師たちよりずっと中原
さんの方が教育者らしいと思いますよ。中原さんが考えておられる教育について、書いたものを
持て来てくれませんか」と。
この続きは、また明日。