不況の時代をどう生き抜くか(7)
今は不況の時代である。と言うことは、金のない人間、これまで恵まれなかった人たちに
とって大きなチャンスの時である。
景気のよい時には、学歴が有利となる。景気の良い会社では、学歴さえあれば「歯車」として
利用できるからだ。
でも、学歴がなければ「歯車」にさえ雇ってもらえない。チャンスにめぐり合う機会が
少ないものだ。
しかし、不況時には学歴なんぞ関係ない。実力あるのみである。
では、実力とはないか。これが大きな問題だ。
学歴があれば、実力がなかっても会社の歯車として働ける。そんな人が会社には大勢いる
ものだ。大会社に何十年と働いてきたという人々の退職後を見ていると、彼らがどれだけ
会社でも役立たずだったかが想像できる。実力がないのである。いったい会社でどんな仕事
をしてきたのだろうかと思う人の多いことよ。
どうしてそうなるのか。
責任のない部署にいた人。係長、課長、部長だったと威張っている人も、しょせんは会社の
金で、会社の看板を背負ってやってきただけである。年間何十億円の予算を動かしてきたと
い言う人でも、自分の金ではない。損をしても格下げされる程度で終わってきたような人もいる。
自分の才覚で、会社を立ち上げ、金を借り、失敗すれば命をすれるほかないという極限の中で
考え、行動してきた人間との違いがここにある。アマちゃんではやっていけない。会社を首に
なるだけというような甘い社会ではない。一生借金取りに追い回される現実が待っているのだ。
そんな、辛い日々を乗り越えて生きてきた人間には、それなりの味がある。
豊富な経験とは、恵まれた経験と言う意味では決してない。
山あり谷あり、生きるか死ぬかの世界の中で、何度も挫折を味わいながら積み重ねた豊富な
経験こそ役に立つのだ。
毎日楽をして、時間の来るのを待っているような会社生活をした連中には神様は微笑まない。
会社にいても、努力を重ね。自分との戦いの中で苦しみもがいてきた人に、大きなチャンスが
やってくる。
時給がいくらだとか、綺麗で楽な仕事をなどと言っているような人の将来は真っ暗に違いない。
好きであっても嫌いであっても、目の前の仕事に懸命に取り組んでいる人たちは、いつも間にか
予測もしなかったスキルが身についてくる。その積み重ねが、やがて大きな花を咲かせるのだと
考えている。