中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

治療薬として効果が期待出来るか・二つの承認予定薬

 政府は世界一早く「レムデシビル」を承認し、「アビガン」を今月中に

承認するよう指示をしたと安倍首相がいった。 この2種の薬が

新型コロナウイルスの「治療薬」に認められても、患者の側に立つと

ちょっと恐ろしい気もする。 二つの薬品には、いまだに不審な要素が

濃厚にあるにもかかわらず、「治療薬」として承認とは・・これいかに?

レムデシビルとは

レムデシビルはアメリカに本社がある「ギリアド・サイエンシズ」がエボラ

出血熱の治療薬として開発を進めてきました。 試験管内の実験で、

新型コロナウイルスの動きを抑える効果があったことから、治療効果が

期待されるようになりました。 このため、日本を含む各国が参加する

国際的な臨床試験が行われていて、製薬会社によりますと国内でも

およそ90人に投与されることになっています。 このうち、アメリカの

臨床試験では、結果の一部を分析したところ投与された患者がそうでは

ない患者に比べて回復にかかる期間が4日短いことなどが確認されたと

いうことです。 こうした試験結果を受け、アメリカでは、緊急的な使用に

かぎり、許可されることになりました。 ただ、アメリカの当局は、緊急で

使用を認める手続きについては正式な審査を受けた承認とは異なり、

効果や安全性については、まだ、限定的な情報しか得られていないとして

います。 レムデシビルをめぐっては、腎機能の低下などの副作用も指摘

されているほか、イギリスの医学雑誌には、中国での臨床試験の結果

「統計上、有意な効果はみられなかった」とする論文が掲載されるなど、

海外では評価がわかれています。

専門家「重症患者向け治療薬として期待できるか」

厚生労働省が、レムデシビルの早期の承認に向けた手続きを始めたことに

ついて、感染症の治療に詳しい愛知医科大学の森島恒雄客員教授は、

新型コロナウイルスについてはまだ特効薬がなく、既存の薬の中から

よく効く薬を探しているのが現状だ。レムデシビルは、飲み薬ではなく、

静脈注射で10日間ほどの期間投与するもので、海外では、これまでに、

肺炎を起こして人工呼吸器が必要になるなど、重症の患者に使うことで、

ウイルスの増殖を抑える効果が確認されている。国内で承認されれば、

主に重症の患者向けの治療薬として期待できるのではないか」と話して

います。 その一方で、副作用については「かなりの確率で腎臓に機能

障害が出ることがわかっているので、重症の患者を数多く治療している

医療機関や薬の扱いに慣れた専門施設などで使われることが望ましい」と

しています。

アビガンについて

国内の製薬会社が開発し新型コロナウイルスの治療効果が期待されて

いる「アビガン」について、厚生労働省は、今月中に治療薬として承認

するため、手続きを大幅に短縮して審査を進める方針です。

新型コロナウイルスの治療薬をめぐって厚生労働省は、すでにアメリカで

開発された「レムデシビル」について、海外で使用が認められた薬の国内

での審査を簡略化する「特例承認」の手続きを進めていて、週内にも承認

される見通しです。 これとは別に日本の製薬会社が開発したインフルエン

ザの薬「アビガン」も新型コロナウイルスの治療効果が期待されている

ことから、政府は今月中の承認を目指す方針です。 厚生労働省

よりますと、「アビガン」は研究の一環として4日までに国内でおよそ

3000人の患者に投与され、愛知県の藤田医科大学病院などで臨床

研究なども行われています。 その結果はまだまとまっておらず、

海外で使用が認められている「レムデシビル」と異なり「特例承認」を

適用することもできませんが、厚生労働省は、通常1年ほどかかる

承認の手続きを大幅に短縮して審査を進める方針です。

ただし「アビガン」は、これまでの動物実験などで胎児への副作用の可能性

指摘されています。 厚生労働省は「審査期間は可能なかぎり短くするが、

副作用や用量などを慎重に検討して判断する」としています。