イタリアの水の都ベネチアほどショックを受けた街はない。
アメリカ各地やヨーロッパ各地など、かなり多くの都市や街を
訪れたが、陸路ではなく、海路でベネチアにに入った。海の
上に浮かんでいるかのような街の出現にびっくりしたものだった。
あの時の気持ちはいまもしっかりと残っている。陸路で入って
いたら、あんな感激はなかったかもしれない。ところで、その
ベネチアが過去50年ほどで最大の高波に襲われている。
大運河に面したベネト州議会の議事堂が、史上初めて浸水被害に
見舞われた。この直前、州議会は気候変動対策を盛り込んだ予算の
改正案を否決していたばかりだったというから皮肉なことだ。
あの町は、木材を打ち込んだ上に建てられた建造物が多いだけに
根本的な対策には巨費が必要だから・・・。どうなるのだろうか。
近い将来、ベネチアが沈み過去の遺産となってしまうのか。
海の上に作った人工都市は世界に名をとどろかせる貿易都市でも
あっただけに、消えてしまうのは忍びない。