中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

高齢夫婦の日々のあれこれ(33)

 一昨日、甲子園に行って延長サヨナラ勝ちし、昨日今日も勝って引き分けを挟んで5連勝。明日勝てば首位かも。

 縁起のよい爺さんの甲子園行きでした。高齢者も多く見かけましたが、あと半年で90歳という爺さんは見かけませんでしたから、私が最年長だったかもと思っています。

 あとの疲れが心配でしたが、なんとか持ち堪えています。

 妻も散歩を続けて頑張っているし、なんとか二人が普通に外出できる日が待ち遠しい。今年は毎年行っている近場の桜の名所にも行けなかったし。行くだけなら行けるかもと二人で話し合ったが、帰路の坂道が無理だよねって諦めたのでした。

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 以前パースに住んでいた頃、高齢の方がユーカリの実で作られた人形を玄関に飾ってありますが、今の私達みたいです。こんな格好で歩くのではなく、もう少し元気そうに二人で出かけたいものです。

 

89爺ィの愉しむ料理(163)

 淡路島の従姉から筍が3本分も届きました。

自宅で採れた筍を採りたてで湯がいて下さっているので有難い。

 その内の1本分を使って「土佐煮」を作りました。

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 とても美味しい土佐煮が出来ました。煮汁を残して置いてと言い忘れたので妻が洗ってしまい残念。

 煮汁でわかめを煮ると美味しいのだそうです。

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 味噌汁は菊芋をたっぷりと入れて作りました。

筍や菊芋を食べられるほど夫婦とも歯がよいのが幸せです。 

 筍と一緒に送っていただいたキンカンを砂糖をたっぷり入れて煮詰めました。毎年これを一週間ほどかけてデザートで楽しむのです。

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 香りが良く、とても美味しいですよ。

随筆自伝(139)私を守ってくれたのはだれなのか

  《ブローホールでは、驚いて逃げ惑う》

 事前にその現象をよく知っている人が、タイミングよく客を連れて行くと、その感動が数倍にもなるだろうと思うが、ショックに弱い人なら発作を起こしかねないとも思う。

「ブローホール」という案内板を見て、道路際に車をとめて海の岩場に下っていくのだが、その細い道に突然1メートルもあろうかというトカゲが飛び出してきた時には一同驚いた。豪州にはいろんな動物がいるとは思っていたが、一瞬ワニかと思える大きさだったのでドキッとする。大きなトカゲは、なにごともなかったように通り過ぎていった。

  坂道を降りていくと、かなりの広さの平らな岩場があった。私たちのだれもが何の予備知識も持たないで岩場の上を歩いていた。

岩に穴が開いていたのでそこから海を覗(のぞ)いていたところ突然に猛烈な轟音(ごうおん)とともに潮が吹き出してきたので、4人は四方八方という感じで岩場の上を逃げたものだ。

ある間隔でこの現象が起こるらしい。だが、その轟音はすさまじいものだった。何が起こったのか4人とも分からなかったので一目散で逃げた。何も知らない人をここに案内してあの経験をさせると忘れられない思い出になるのではないだろうか。 とっさのことだったので、4人は蜘蛛の子を散らしたようにそれぞれが、別の方向に逃げたのは印象的だ。

《素敵な結婚式》

 アルバニー滞在中、私が最も感動したのは、海沿いのホテルの外で行われていた結婚式だった。ホテルの前に公園があり、その公園のパティオの周りに50~60人の人々が群れているので、何事かと近づいてみると結婚式の最中だった。スコットランドの楽器(バグパイプ)を奏でる中、厳かに式が行われていた。

強風が吹いていたが、新婦の長い話にも参加者一同じっと耳を傾けていた。日本では芸能人の真似(まね)をしたような派手な演出の結婚式が増えているが、それと比べてなんと心温まる結婚式だろうかと感動した。

派手な飾りつけもない。新郎新婦が何かに乗って登場などというような演出もない。参加者は全員が立っている。バグパイプに出身地アイルランドへの思いが込められている感じがした。厳かで楽しそうな結婚式を遠くから見守らせていただいた。

89爺ィの愉しむ料理(162)

 別の所で書きましたが、昨日は孫に連れられて甲子園で阪神ー巨人戦を堪能してきました。

 妻はチキンラーメンに餅を入れて夕食にしたようで、私は甲子園から戻ってから同じくチキンラーメンに餅を入れて食べ、残ったスープの中にご飯を出て食べました。

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 今日の夕食です。

 昨日の疲れがあるので簡単にづま狭した。

 ★ ポテトサラダ

 ★ じゃがいも、玉ねぎ、わかめの味噌汁

 ★ ジャコ&くるみの佃煮

 私はいつも、味噌汁は2杯頂きます。

 さて、明日はなににしようかな。

高齢夫婦の日々のあれこれ(32)

 昨日は休載しましたが、その理由は(牛に引かれて善光寺参り)でした。

 孫が「おじいちゃん甲子園に行こう」と誘ってくれたのです。 

 伝統の一戦阪神.巨人戦)を見に行こうと誘われて、死んでもいいから行こうかと思い切っていってきました。

 午後には(シーアに買物に行こうカー)でシーアまで行き、結構歩いて疲れていたのですが5時半には迎えに来てくれた車に乗って甲子園に向いました。

 通路横の2列が縦につながったシートでした。誘ってくれたのは孫の中の長男ですが横のシートに座ったのは孫の中の1番末で24才。彼は関学の高校時代、主に一塁を守っていました。そして彼の従兄が近本選手です。

 孫の一番上は去年までは野球知らずだったのが急に目覚めて阪神フアンになった。私の随筆の中に書いてありますが、小学6年生で神戸から豪州.パースまで一人でやって来た孫です。やっとおじいちゃん孝行をしてくれるようになったなと言う感じです。

 試合は最初から終わりまで接戦で面白かった。菅野と西勇の投げ合いの中、最初に点を取ったのは巨人だったが反撃して同点になり、延長の十回裏、サヨナラ勝ちしたときは場内が沸きました。

 帰路が大変。球場の裏側の道路まで歩いて来てくれと言うのだが、外野席にいた観客の多くは正面側に向かって歩くので、激流の中を逆らって泳いでいるようで前に進みにくい。酔っ払いが多くどんどんと肩にぶつかってくるので倒れないように踏みしめながら歩く。寝たきりになってから最も厳しい歩行となったが無事に目的地に着いた。

 自宅まで送り届けてもらった。素晴らしい試合を観れたことが幸せだった。多分わたしの生涯で最後の観戦になるだろうと思っています。

 

 

随筆自伝(138)私を守ってくれたのはだれなのか

ドライブ旅行3

《世界一高い樹木》

 翌日ペンバートンへと向かう。出発前からの期待の一つだったカリーフォレストを見るためである。ドライブウェーがラウンドできるようにつくられていて、一回り20分くらいで回って来られる。このあたりは西豪州の中では雨量の多いところで樹木がよく育つらしい。カリー(ユーカリの一種)は200年以上を経ている大木が多い。

それにしてもマーガレットリバーからオーガスタ、ペンバートンへ通じる道は西オーストラリア一般の道路とかなり雰囲気が違っていた。ペンバートン周辺の道路は、まるで樹木のトンネルの中を走行する感じだった。

 一路、家内が憧れているデンマークへと向かう。デンマークはとてもいいところだよと多くの人たちに聞かされていたようである。

デンマークは素晴らしい》

 デンマークは、家内が「早く連れて行って」と以前から懇願していたところでもあり、車が町に近づくにつれ、何となくワクワク期待するものがあった。

思ったよりも小さな町だった。小高い丘を背負って海に向かってなだらかな傾斜があり、家族的な避暑地の雰囲気を漂わせている。とりたててびっくりするようなものは何もないなと車を進めるうちに、河口付近に忘れられない風景があった。

河口にはとても自然な形で岩がいくつものプール状の水たまりを形成していて、清流がたっぷり流れていた。

たくさんの家族がその「プール」の中で泳いでいた。子供たちは、安心して泳ぎ戯れている。その風景を見ながら、「いいなー、こんなところで孫を遊ばせてやりたいなー」と田仲さんと私がつぶやく。

本当は、孫ではなく、私自身が少年のころにこんな素晴らしい体験をしたかった。オーストラリアでは、泳ぐ場所に不自由はしない。しかし子供連れで水遊びをするのに、これほど情緒たっぷりの場所も少なかろうと思う。

 町の中心に、この町では有名なワイナリーがある。そこでは工芸品の展示や即売もされていた。その中に、どこかの工芸展で最優秀賞を得たという木の器があった。直径40センチほどの果物鉢と言えばいいのだろうか。ユーカリの木の一種だと思うが、大きな木材を、くり抜き削って仕上げたのだろう。網目模様の素晴らしい木目をなめらかな曲線に仕上げたこの器をどうして買い求めなかったのだが車のトランクに入れると割れてしまうかもと諦めた。いまになっても悔しい思いがしている。その後、同じような器をあちこちで目にしたが、あれほど素晴らしい作品には巡り会えていない。良い作品に出会った時には躊躇(ちゅうちょ)なく買い求めるべきだったのだ。

 デンマークに宿泊予定を組まなかったことも悔やまれる。次の機会にはぜひゆっくりしてみたいところだった。

《アルバニーへ》

 車は一路アルバニーへと向かう。アルバニーはパースから真っすぐ南極海方面に行けば約400キロ、車で3時間少々であり、アルバニーに別荘を持っているという人も多い。パースよりも少々涼しいので避暑という目的と都会からの脱出という目的もあるようだ。

 街は比較的大きいが、当時は市ではなく町だった。街のセンター通りには落ち着いた建物が立ち並んでいて、坂道を下っていくとそのまま海に突っ込んでしまいそうな感じになっている。

不平を言うなら、この海に突っ込んでしまいそうな場所に、何か洒落(しゃれ)たものが欲しい。せっかくの素晴らしいロケーションが生かされてないようでもったいない。

アルバニーにはエスペランスからの帰路にもう一度立ち寄ったけれど慌ただしい日程の中で多くを見ることができなかったが、カニを食べに行った。これまでに書き忘れていたが、パース周辺では美味しいカニが採れる。日本のワタリガニとよく似た姿で味も近い。以前に友人たちとカニとりに行ったことがある。橋の上から鶏肉などを入れた金属製の籠をたらし、しばらく待ってあげると

カニが入っている。取り出してゲージを使ってサイズを計り、小さいものはそのままリリースする。

 カニは、子供のころから池のほとりで何度も捕まえているので扱いには慣れているはずなのだが、一匹のカニが手首を大きくひねって、わたしの指にかみついたのだった。とても痛かったのでよく覚えている。

さて、カニを食べさせてくれる店があると聞いて、近くだと思っていたら結構遠くまで行くことになった。 大きな釜で茹でてくれたが、時間をかけすぎてうまみがなくなっていた。カニは自分で茹でないとだめだねと話し合ったが、とんだ寄り道になってしまった。しかし、近くにクジラの博物館があり、見ることが出来てよかった。

随筆自伝(137)私を守ってくれたのはだれなのか

ドライブ旅行―2

《ワイナリー巡り》

マーガレットリバーに向う。ワインの生産地として世界的に知られた地域なので、そこかしこにワイナリーが点在していて我々の興味をそそるが、すべてのワイナリーへ入って試飲するだけの時間的余裕がないので、目についたワイナリーに入った。

 あまり大きくないが感じの良いワイナリーだった。芸術家を思わせる雰囲気の男がカウンターの中にいてテスティング(試飲)に来ているオージーたちと楽しそうに話をしている。

壁には画廊のようにたくさんのアクリル画が掛かっていて、それには値段が付けられていた。オーストラリアの風景画だが、なかなかのもので私も欲しいなと思ったが、結構いい値段が付けられていたので諦める。

 数種類のワインをテスティングしたが、いま一つ気に入らない。女性陣は買わずに帰ろうと言うが、我々男性陣は気が弱く何も買わずには帰れない。今晩どうせ飲むのだからと1本買い求めることにしたが、このワインがその夜の食卓で一躍評価が上がって「もっとたくさん買えばよかったね」と悔やむことしきりだった。ワインは食事によって味が違うし選択も変わる。テイスティングのような場で味が分かるようになるにはまだまだ修行が足りないことを痛感した。

 マーガレットリバーの町は小さな田舎街だ。と言っても、日本の田舎街とは雰囲気が違うのだがうまく言えない。スーパーで買い物をして自分たちで食事の用意をする。そのスーパーが日本の田舎と違ってアカ抜けのした立派なスーパーだったのに驚いた。

 翌朝早く目的のワイナリーへと向かった。

当時ケープメンテルワイナリーの赤ワインが世界のコンテストで認められたと評判だったので買い求めておいたところ、友人が一緒に食べようと持って来てくれた鰻(うなぎ)を食した際のケープメンテルの赤ワインの味が絶妙で忘れられなかったので、ぜひワイナリーを訪れてみたいと思っていたのだった。

 オープンの時間にはまだ早過ぎたようなので広い敷地の中を散歩する。田仲さんの奥さんは「こんなところで1年ほど働かせてもらったら、いっぺんに英語が上達するだろうね」と言いながら敷地内のブランコをこいでいる。

ここはかなり大きいワイナリーで整備されていて美しい。テイスティングしたが田仲氏の口には合わなかったようだ。ワイン選びは難しい。自宅用に1本だけ買うことにする。

    <鍾乳洞巡り》

 マンモスケープに着いたが次のガイドの時間まで待たされる。この鍾乳洞は名前の通り大きいのだが、それだけのことで、どこにでもある平凡な鍾乳洞で少しも感動しなかった。この鍾乳洞にこりて評判の高かったジュエルケーブに行く気が起こらなくなってしまった。

《インド洋と南氷洋が接するところ》

  一路オーストラリア最南西端のオーガスタまで車を走らせる。ルーウィン岬の端にケープ・ルーウィン灯台がある。この岬の名は、1622年にこの地を通過したオランダ船にちなんで名付けられた。石灰石でつくられたこの灯台は、49メートルの高さがあり、螺旋(らせん)階段を上がっていくのはかなりきつい。この岬の右側はインド洋であり、左側は南氷洋である。そして、ここは暖流と寒流が出会う海でもある。

 私は以前、アメリカのマイアミからキーウェストまでドライブしたことがある。マイアミから車で3時間半、地図で見ると、フロリダ半島の端から海の上を国道が走っているように見える。数多くの島が点在していて、その島々を42の橋で最終のキーウェスト島まで結んだアメリカ最南端のドライブウェーである。これらの橋の中にセブンマイルブリッジという橋がある。その名の通り7マイル(11キロ)ものコンクリート橋が海の上につくられている。

キーウェストに向かって右側がメキシコ湾、左が大西洋と名付けられているが、境界線はなく、そこには紺碧(こんぺき)の海が広がっているだけなのに、「こっちがメキシコ湾でこっちが大西洋か」と感動してしまった。もちろんその美しさとともに感動したのである。その感動が忘れられなくて、3度も訪れた。

 オーガスタの灯台の上から、右側がインド洋、左側が南極海かと思いながら見るだけで感極まってしまう。

 象やライオンが住むアフリカ、とても美しいところだと人は言う。そのアフリカまでこのインド洋は続いている。ここから南極大陸まで何も存在しない南氷洋、この向こうに氷山が浮かび、ペンギンが戯れ、そして先月フリーマントルを出帆していった南極観測船「しらせ」が向かった昭和基地がそこにある。私の顔に吹き付ける風は南極からのもの?と一人感慨にふける。どうして人はこのような時に感動をするのだろう。そこには未知の世界があるからなのか、それともとてつもない雄大さに心魅(ひ)かれるからなのか。

私たちは桟橋で釣りをした。車には日本から仕入れた釣り道具一式を積んである。家内が真っ先にアジを釣り上げ、それを友餌にしてみんなで9匹のアジが釣りあげた。シマアジのお造りが最初のワイナリーで買い求めた白ワインとよく合った。大変美味だった。