中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

医療方針の選択は難しい

  腎臓病患者の40代女性が人工透析治療を中止し、死亡していたとされる
病院で、2013年以降に、ほかにも患者約20人が透析治療をしなかったことが
分かっってきた。
 この問題で誤解がありがちなのは、「終末期」であったのか、「非終末期」で
あったのかと言う点だと思う。 多くの方が勘違いしているのは終末期なら
仕方なかった・・・のではないか・・と、思っていることだ。
 今回問題となったのは「非終末期」の患者に対する医療者側の提案に患者
が同意してサインしていた点であり、多くの問題提起にもなっている。
 (がん)の場合にも、医療者側から治療方針の提案がなされる。 提案された
治療方針の内のどれかを選ばなければならない「羽目」に追い込まれるように
して、患者が選い、同意書にサインをする。
 同意しないと治療が始まらないとあれば、患者にとっては「仕方なく」同意する
ことになった・・・と、感じている場合がほとんどだろう。
 実は、提案された医療方針以外にも選択肢はあるのだが、患者がよほど医療に
詳しくなければ、医師の言うがままになってしまうのも、流れとして致し方ない。
 今回の場合、患者に気持ちに揺れが起こってから、医療側がどう対応したのかが
注目される。が、医療者たちで患者に寄り添えるだけの度量のあるひとなど、百分
の一もいないのではと、思われる日本の医療現場では多くを望めない。
  透析治療で多くの国費が使われていることに患者が負い目を持っているとも
いわれる中、 患者が、自分の命をどのように考えるか、ただ生きていたいだけ
なのか、生きてなにをしようとするのか・・哲学的な迷路にはまるかもしれない。