「春画」(しゅんが)をご存じだろうか?
私は30歳を過ぎても知らなかった。
いつ頃だったか忘れたが(たぶん50年ぐらい前)、路上で
戸板(雨戸)の上に古本を置いて売っている店が並んで
いたころの話なのだが・・・。
古本を探していると、店のおっさんが「にいちゃん、ええもん
あるよ」と、戸板の下に手を伸ばして新聞紙に包んだものを
取り出した。
そして、ちらっと見せてくれたのが、私が初めてみた春画だった。
当時は、そういうものを売っていると手錠をかけられるといわれて
いたものだった。
ちらっと見ただけなので、何がどうなっているのかわからなかったけど、
後日に収集家から見せてもらって驚いた。
巧く描けている、でも・・そんな体位でできるの? と、思ったものだ。
その後は、春画を見る機会は全くなかったが、最近は国際的に
評価が高まり、日本でも原版彫刻にトライする人が現れている。
最近の若者たちはセックスに興味がなくなっているのか? と、思って
いた私も、春画の人気に多少は安堵している。
春画は江戸時代に作られたエロ本と思われがちですが、ユーモアも
あふれていたので「笑い絵(笑絵)」とも言われていたのです。
ヌード写真などより、よほどの優れものなんです。